新型ローグ ハイブリッド発表 e-POWERの米国初導入と九州生産
日産が2026年9月21日に発表した2027年型ローグ ハイブリッドは、e-POWERを米国に初めて導入する1台だ。価格は35,490ドルからで、2026年秋のSR先行と2027年初頭の全グレードの2段階で発売される。日産自動車九州とローグの縁や、新型エルグランドとの出力の違いも整理する。
日産は2026年9月21日、米国向けの2027年型「ローグ ハイブリッド」を発表した。日本ではエクストレイルの名で知られるSUVの北米仕様に、第3世代のe-POWERを搭載した1台で、e-POWERが米国に導入されるのは今回が初めてだ。日本での発売は発表されていないが、生産は福岡県の日産自動車九州が担う。
新型ローグ ハイブリッドの概要と発売時期
ローグは、3世代にわたる累計販売が約400万台に及ぶ日産の米国での主力SUVだ。新型は、そのローグにe-POWERを初めて載せたモデルで、全グレードに前後2基のモーターで四輪を駆動する電動四輪駆動を標準装備する。
米国での発売は2段階に分かれる。2026年秋に先行するのは、SR Technology Packageを装着したSR AWDだけだ。SV、SR、Platinumの全グレードは2027年初頭にそろう。
| グレード | メーカー希望小売価格(円換算は1ドル=157円の概算) | 発売時期 |
|---|---|---|
| SV AWD | 35,490ドル(約557万円) | 2027年初頭 |
| SV Premium Package装着のSV AWD | 37,590ドル(約590万円) | 2027年初頭 |
| SR AWD | 37,490ドル(約589万円) | 2027年初頭 |
| SR Technology Package装着のSR AWD | 41,490ドル(約651万円) | 2026年秋 |
| Platinum AWD | 43,490ドル(約683万円) | 2027年初頭 |
第3世代e-POWERとe-4ORCEの中身
e-POWERは、エンジンを発電だけに使い、車輪の駆動をモーターだけが担うシリーズハイブリッドだ。外部からの充電は必要なく、ガソリンを給油するだけで走れる。日産は2016年の発売から3世代にわたって技術を磨き、世界68の市場で累計約200万台を販売してきた。
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ローグ ハイブリッドで発電を受け持つのは、e-POWER専用に静粛性と効率を追求した1.5リッター直列3気筒ターボエンジンのZR15DDTeだ。燃料のエネルギーを動力に変える割合を示す熱効率は42%を実現し、バッテリーの充電量が十分なときはエンジンが完全に止まる。出力はエンジンが148hp(約150PS)で、フロントモーターが202hp(約205PS)、リヤモーターが134hp(約136PS)だ。システム最高出力は225hp(約228PS)に達する。
電動四輪駆動のe-4ORCEは、前後モーターのトルク配分を常時最適化して、安定性と旋回性能を高める。旋回時には内側の車輪に軽くブレーキをかけ、コーナリングの精度を高めることもできる。
燃費は、市街地40mpg(約17.0km/L)、高速36mpg(約15.3km/L)、総合38mpg(約16.2km/L)が目標値として示された。ただしSRグレードの数値で、米国環境保護庁(EPA)の認証前に日産が社内で測定した値だ。SVとPlatinumの数値は示されておらず、測り方が異なる日本のWLTCモードの燃費とは、そのまま比べられない。
米国向けに仕立てた走りと装備
e-POWERは、北米の一般的な走行速度や路面、購入層の好みを反映した専用のチューニングを受けている。アクセルペダルを戻すだけで停止まで減速するe-Pedalには、スムースストップが組み合わされる。停止直前のブレーキの圧力を自動で調整し、自然で滑らかな停止感をつくる仕組みだ。
運転支援は、新世代のProPILOT Assistに進化した。新しいミリ波レーダーと視野が20%広いカメラ、更新されたソフトウェアにより、日産はより自然な運転支援を実現したと説明している。前走車に追従するインテリジェント クルーズコントロールは、停止車両の検知が従来より33%早まった。SR Technology PackageとPlatinumには、高速道路の渋滞時に一時的に手放し運転ができるハンズオフ機能と、車線変更の支援も用意される。
14.3インチのデュアルディスプレイは、Google built-inに対応する。Google MapsやGoogle Playストア、Google Geminiが使える。装備はPlatinumが標準で、SRではSR Technology Packageで選べる。
家族での使いやすさにも手が入った。後席のドアは約90度まで開き、チャイルドシートの固定金具であるLATCHアンカーは5か所に設けられて、後席中央にもチャイルドシートを付けられる。荷室は後席を倒すと65.9立方フィート(約1,870L)に広がり、大型スーツケースも積める。
日産自動車九州で生産される米国向けの主力車
生産を担う日産自動車九州は、福岡県苅田町にある。セレナとエクストレイル、そして輸出専用のローグを製造しており、国内生産の半数以上を担う日産最大の拠点だ。
デザインにも日本の要素がある。テーマは洗練とタフネスを意味するRefined and Toughで、ワイドで力強いスタンスが特徴だ。後席の後ろにあるCピラーでは、窓の下端を通る線が上に向かって跳ね上がり、富士山を思わせる三角形をつくる。その山頂にあたるガラスの奥には、雲を思わせるモチーフが隠されている。
選択装備のフロントのランプは2つと3つの並びで、2をニ、3をサンと読む日産の名への目配せだ。雲のモチーフも、同じ2と3の組み合わせになっている。
米国の主力SUVがe-POWERを選んだ意味
ここからは、事実を踏まえた分析になる。
車名に掲げられたのは、e-POWERではなくハイブリッドだった。日本語の発表で「ローグ e-POWER」と表記された車は、米国向けには2026年4月に「Rogue Hybrid e-POWER」の題で紹介された。発売時の名称は「ローグ ハイブリッド」で、e-POWERは技術名として説明される。日産は米国でハイブリッドの需要が拡大し、その傾向は今後さらに加速するとみており、購入層の検討の入口に並ぶことを優先した命名と考えられる。
位置づけも明確だ。日産は日本、米国、中国を、事業を牽引する市場としており、米国では2030年度までに年間100万台の販売を目指す。ローグ ハイブリッドはその戦略を支えるコアモデルだ。世界68の市場で販売してきたe-POWERを主力車種に載せる判断は、この技術を最大の市場でも通用する選択肢に育てる意図の表れとみられる。
日本の読者にとっての焦点は、次期エクストレイルとの関係だ。日産は2026年4月14日に、新型エクストレイル/ローグ e-POWERを初公開した。グローバルのコアモデルと位置づけられ、ローグ ハイブリッドはそのローグにあたる。日本では新型キックスと新型エルグランドが第3世代のe-POWERを搭載しているが、エクストレイルの日本仕様は詳細が公表されていない。
新型エルグランドと比べると、モーターの出力は換算上ほぼ同じだ。エルグランドのフロント205PS、リヤ136PSに対して、ローグ ハイブリッドは約205PSと約136PSになる。一方、発電エンジンはエルグランドの140PSより高い約150PSで、米国向けの専用チューニングの一端とみられるが、日産は差の理由を説明していない。
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九州とローグの縁は、2007年にさかのぼる。この年に初代にあたるS35型の生産が九州の工場で始まり、2020年には3代目も加わった。間の2015年7月には、好調な販売に生産能力が追いつかなくなった北米向けに、2代目の補完生産を日産自動車九州で行うと日産が決めている。九州から米国へ向かうローグの系譜に、今回のハイブリッドが加わる。
新型ローグ ハイブリッドは日本で買えるのか
日産が発売を明らかにしているのは米国だけだ。ローグの日本名にあたるエクストレイルは日本で販売されているが、搭載するのは第2世代のe-POWERになる。
新型ローグ ハイブリッドの価格と発売時期は
米国でのメーカー希望小売価格は、SV AWDの35,490ドル(約557万円)からPlatinum AWDの43,490ドル(約683万円)までで、税金や目的地手数料は含まれない。発売は2026年秋にSR Technology Package装着のSR AWDが先行し、全グレードは2027年初頭にそろう。
新型ローグ ハイブリッドの燃費は
市街地40mpg(約17.0km/L)、高速36mpg(約15.3km/L)、総合38mpg(約16.2km/L)が目標値として示されている。ただしSRグレードの数値で、米国環境保護庁(EPA)の認証前に日産が社内で測定した値だ。
e-POWERと一般的なハイブリッドは何が違うのか
エンジンが車輪の駆動にも関わるハイブリッドが多いのに対し、e-POWERはエンジンを発電に専念させ、車輪はモーターだけで駆動する。加速はモーターらしい滑らかさになり、給油だけで走れる点はガソリン車と変わらない。
この記事について
- 執筆
- ROADECT編集部
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