日産 欧州向け小型EV 新型ピクソを発表
2026年9月23日に日産が発表したピクソは、欧州の都市向けの全長3,796mmの小型EV。27.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池で航続距離は最大259km、生産はルノーのスロベニア工場が担う。2008年の初代と同じ名前で欧州の最小クラスに戻る背景と、未発表の価格や日本導入を整理する。
日産は2026年9月23日、欧州向けの新型小型EV、ピクソを発表した。全長3,796mmのボディに27.5kWhのバッテリーを積み、航続距離は社内測定で最大259kmだ。欧州で最も小さな車格の区分であるAセグメントに、電気自動車で戻ってくることになる。
価格と詳細な仕様が発表されるのは2026年12月以降で、顧客への納車は2027年初頭に始まる予定だ。日本での発売や導入の予定は、明らかにされていない。
日産 新型ピクソとは 欧州向けの最小クラスEV
ピクソは、日産の長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」を体現するモデルだ。スピードと柔軟性を高めた新しい手法で、手頃な電動モビリティとして欧州の都市環境向けに開発された。
欧州の日産のEVには、すでにリーフとマイクラがある。ピクソはそのラインアップを、欧州の車格区分で最も小さいAセグメントまで広げる。このあとには、ジュークEVも控えている。
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ピクソという名前のクルマは、2008年にも発表されている。初代は5ドアの4人乗りで、1.0L 3気筒エンジンを積む都市向けの小型車だった。スズキとの協業でインドの工場で生産された。日産は2026年9月9日に新型の名称を明かした際、ピクソを欧州のAセグメントへの復帰と位置づけた。
ピクソの航続距離と充電性能 LFPバッテリー
搭載されるのは、27.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーだ。欧州向けの日産車としては初の採用となる。
航続距離は、欧州のWLTPモードで最大259kmとなる。ただし、認証を取得する前の社内測定値だ。通学や買い物、週末の外出といった都市での典型的な移動なら、無理なくこなせる距離という位置づけになる。
急速充電は最大50kW、普通充電は最大11kWで、どちらも全車に標準で備わる。急速充電では、バッテリー残量15%から80%まで約28分で回復する。普通充電はV2Lにも対応し、車から家電などへ電気を供給できる。モーターの最高出力は60kWだ。
ピクソのサイズと装備 Google built-in
全長は3,796mm、ミラーを除いた全幅は1,790mm、全高は1,512mmで、ホイールベースは2,492mmだ。ハンドルをいっぱいに切って旋回したときに描く円の直径は9.9mで、狭い道や混み合った街中での取り回しを想定した寸法だ。
日本の車両区分では、全幅が1.7mを超えるため、5ナンバーではなく3ナンバーの普通自動車に相当する。2008年の初代ピクソと比べると、全長は231mm、ホイールベースは132mm長くなった。
室内は大人4人が座れる広さで、後席は前後に独立してスライドする。荷室容量は通常時で356L、後席を倒すと1,221Lまで広がる。いずれもドイツ自動車工業会のVDA方式による数値で、356Lには50L分のケーブル収納が含まれている。
車載システムには、Geminiに対応したGoogle built-inを採用した。ナビゲーションから娯楽、連絡まで自然な音声で操作でき、Geminiは発売時から16の言語と方言に対応する。日産は、AセグメントでGeminiを搭載するのはピクソが初めてだと説明している。
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運転席の7インチのディスプレイと10インチのタッチスクリーンを備え、MyNissanアプリではナビゲーション、リアルタイムのルート案内、充電管理、車両の操作ができる。ドライバーを認識して個人設定を呼び出すFace IDも搭載する。
運転支援には、衝突被害低減ブレーキを備えるほか、停止と再発進に対応するアダプティブクルーズコントロールやハンズフリーパーキングなどが標準で備わる。アクセルペダルだけで発進から停止までを操作できるe-Pedalも用意される。
ルノーとの協業で生まれたピクソ デザインは日産
ピクソは、ルノーとの協業で開発された。両社の知見と強みを生かし、欧州の顧客のニーズに応える都市型のモデルに仕上げている。デザインは日産が担当し、生産はスロベニアにあるルノーの工場が担う。
デザインを手がけたのは、ロンドンのパディントンにあるNissan Design Europeだ。キューブを思わせるプロポーションに、ピクセルに着想を得たライトのデザインと、ロボットの顔のようなフロントバンパーを組み合わせた。ボディカラーはWonder PurpleやGear Blueなどをそろえる。
この協業は、2025年3月31日にルノーと日産が発表した内容と重なる。トゥインゴをベースにしたAセグメントの日産モデルは、開発と生産をルノーグループに委託し、デザインは日産が担う。ピクソの発表にトゥインゴの名前はないが、この取り決めから生まれたモデルと考えられる。
ルノーのトゥインゴE-Tech electricは、27.5kWhのバッテリー、60kWのモーター、最大263kmの航続距離を持ち、ピクソと近い数値が並ぶ。ただし、ピクソの航続距離は認証前の社内測定値で、急速充電も10%から80%までと15%から80%までで区間が異なる。単純な優劣は付けられない。
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ピクソのスペック一覧
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 3,796mm |
| ミラーを除いた全幅 | 1,790mm |
| 全高 | 1,512mm |
| ホイールベース | 2,492mm |
| 最低地上高 | 140mm |
| 旋回時の円の直径 | 9.9m |
| バッテリー | 27.5kWh リン酸鉄リチウムイオン |
| 航続距離 | 最大259km 認証前の社内測定値 |
| 急速充電 | 最大50kW、15%から80%まで約28分 |
| 普通充電 | 最大11kW、V2L対応 |
| モーター最高出力 | 60kW |
| 荷室容量 | 356L、後席を倒すと1,221L VDA方式 |
| 価格 | 2026年12月以降に発表 |
| 納車開始 | 2027年初頭から |
ピクソの価格・納車時期と日本発売の見通し
価格と仕様の詳細は、2026年12月以降に発表される。顧客への納車は、2027年初頭から始まる予定だ。ピクソは手頃な電動モビリティとされているが、金額はまだ示されていない。
ピクソは欧州の都市に向けて開発されたモデルとして紹介されており、日本を含むほかの市場への言及はない。日本での発売や導入の予定は、現時点で明らかになっていない。
日産の電動化の方針について、欧州などを担当するマッシミリアーノ・メッシーナ議長は「燃料費の上昇に伴い、電動車両のニーズはますます高まっています」と述べている。そのうえで「日産はEVのラインナップを拡大することに加え、燃費性能に優れたe-POWERハイブリッドモデルのラインアップも用意し、利便性を損なうことなく、ランニングコストを低減させるソリューションをお客さまに提供していきます」と語っている。
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2008年の初代ピクソも、手の届きやすい価格の都市向け小型車として紹介されていた。新型は、その役割を名前とともに電気で引き継ぐモデルだと考えられる。
ピクソのデザインには、「23」という数字が隠されている。2と3を日本語で続けて読むと「ニ・サン」となり、日産の名前に重なる遊び心だ。
ピクソの価格と納車時期は
価格は未発表だ。市場ごとの価格と仕様の詳細は2026年12月以降に発表され、顧客への納車は2027年初頭に始まる予定だ。
ピクソは日本で発売されるのか
日産は日本での発売や導入の予定を発表していない。ピクソは欧州の顧客に向けて開発されたモデルだ。
ピクソの航続距離は何kmか
欧州のWLTPモードで最大259kmだ。ただし、認証を取得する前の社内測定値で、確定値ではない。
ピクソとルノー トゥインゴの関係は
ピクソの発表にトゥインゴの名前はない。ただし2025年3月31日の共同発表で、トゥインゴをベースにしたAセグメントの日産モデルの開発と生産をルノーグループに委託すると明らかにされており、ピクソはこの取り決めから生まれたモデルと考えられる。デザインは日産が担う。
この記事について
- 執筆
- ROADECT編集部
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