ROADECT
ジャガー Type 01 発表 1,030PSの4ドアGTと価格
ニュース4,142字

ジャガー Type 01 発表 1,030PSの4ドアGTと価格

ジャガーが新しい創造哲学のもとで初めて市販化した4ドアGT、Type 01。3つのモーターで1,030PSを発揮する電気自動車は、コンセプトカーのType 00から何を残し、何を変えたのか。仕様、日本価格、生産体制を整理し、ジャガーの再出発を考える。

2026年10月6日、ジャガーはニューヨークで新型の4ドアGT「Type 01」を世界初公開した。新しい創造哲学「Exuberant Modernism」のもとで生まれた初の市販車で、3つのモーターで走る電気自動車だ。最高出力は1,030PS、最大トルクは1,365Nmに達する。日本での価格はType 01 1030PSが2,188万円から、Design Visionが2,552万円からとなる。

シルバーの外装色のType 01を前方斜めから見た外観
出典: Jaguar

ジャガー Type 01とは 新時代の市販第1弾

Type 01は、4人がそれぞれの空間に座るラグジュアリーな4ドアGTだ。ジャガーが電気自動車専用に開発した「Jaguar Electric Architecture(JEA)」を使う最初の市販車で、設計、開発、生産は英国で行う。

車名の「Type」はE-typeなど歴代の名車を受け継ぐ呼び名で、「0」はテールパイプからの排出ガスがゼロであること、「1」は新世代の第1作であることを表す。

2024年12月にコンセプトカーのType 00を公開した際、ジャガーは市販第1弾の4ドアGTを2025年後半に公開すると説明していた。実際の世界初公開は、2026年10月6日だった。

Type 01の側面からの外観
出典: Jaguar

Type 01のスペック 1,030PSと航続距離

駆動は3つのモーターによる全輪駆動で、走行状況に合わせて駆動力の配分を制御するトルクベクタリングを備える。0-100km/h加速は最短3.2秒、100km/hから180km/hまでの加速は4.0秒だ。ジャガーは、Type 01を同社のロードカーで最もパワフルな1台としている。走りの味付けにはフォーミュラEの世界選手権を2度制したJaguar TCS Racingの知見も生かしたと、同社は説明している。

車体とバッテリーを一体にした剛性の高い構造に、四輪エアサスペンションと四輪操舵を組み合わせ、前後の重量配分は50:50とした。空気抵抗係数は0.23で、3段階に展開するスポイラーが空気の流れを整える。

バッテリーは使用可能容量が118kWhで、電気システムは850V構成だ。一充電走行距離は、WLTPモードで最大720km(450マイル)だ。この値はオプションの21インチホイールを装着した場合のメーカー推定値で、認証試験の結果が出れば更新される。

充電は350kWの急速充電器を使うと、10%から80%までを最短22分、321km分を最短13分で行える。充電時間はバッテリーの状態や気温などで変わる。日本仕様の充電規格はCHAdeMOで、欧州仕様とは充電ポートの仕様が異なる。

Type 01のデザインと内装

ボディは低いルーフラインと長いボンネットを持ち、前のオーバーハングは短く、後ろは長い。足もとには23インチのホイールを履く。前面の軸になるのは、模倣や平凡を打ち消すという意味を込めた直線のグラフィック「ストライクスルー」で、その周囲をスリムなLEDヘッドライトが囲む。後面では、2本のフルワイドのライトがこのグラフィックの中に収まる。ストライクスルーも、リアガラスのないテールゲートも、Type 00から受け継いだ特徴だ。

ドアはフレームレスで、ガラスとボディの間にトリムを見せない。ドアハンドルと3段階展開式のスポイラーは、必要なときだけ現れる。外装色はつやのあるグロス仕上げと、つやを抑えたオプションのサテン仕上げから選べる。Design Visionは、Type 01で展開するシリーズの第1弾で、専用色のビジョナリーシルバーサテンが用意される。

後方上空から見たType 01。リアガラスのないテールゲートが見える
出典: Jaguar

室内は中央を前後に貫く真鍮調の「スパイン」が、4人それぞれの空間を仕切っている。運転席の前には一枚ガラスで構成した24インチのOLED(有機EL)ディスプレイが広がり、メーターと、ナビゲーションや音楽などを扱う画面を一体にしている。フロントガラス下には、車内幅いっぱいに広がるスピーカー「パノラミックサウンドバー」がある。ルームミラーはなく、この中に組み込んだClearSightリアビューディスプレイが後方を映す。

Type 01の室内を運転席側から見たところ
出典: Jaguar

Type 00との違い 2ドアから4ドアへ

Type 00は、2枚のバタフライドアと2人乗りの室内を持つコンセプトカーだった。Type 01は4ドアのGTとなり、室内には4人それぞれの空間がある。

Type 00で示された要素の多くは、市販車にも残っている。ストライクスルー、23インチのホイール、リアガラスのないテールゲート、真鍮調のスパイン、ルームミラーの代わりのClearSightはいずれも引き継がれた。

航続距離と充電時間は、目標値から推定値に変わった。Type 00の発表では一充電走行距離の目標をWLTPモードで最大770km、321km分の充電の目標を最短15分としていた。Type 01ではそれぞれ最大720km、最短13分となる。ただし、Type 00の数値は市販第1弾の目標値で、Type 01の720kmは21インチホイール装着時の認証前の推定値だ。条件が異なるため、増減を単純には比べられない。

Type 00(コンセプトカー)の側面からの外観
出典: Jaguar
関連記事
ジャガー Type 00 完全解説 EV専業化の決断と100年の歴史
モデル

ジャガー Type 00 完全解説 EV専業化の決断と100年の歴史

ジャガー Type 01の価格と日本での展開

日本での価格はType 01 1030PSが2,188万円から、Design Visionが2,552万円からで、いずれも消費税込みのメーカー希望小売価格だ。世界全体では、受注が2027年初頭に始まる見込みだ。

生産は2027年に、英国中部のソリハル工場で始まる。電動駆動ユニットとバッテリーパックは同じ英国中部のウルヴァーハンプトン(Wolverhampton)で、ボディパネルは北西部のヘイルウッド(Halewood)で作る。

Type 01が問うジャガーの再出発

Type 01で目を引くのは数字よりも、コンセプトの造形をどこまで市販車に残したかだ。リアガラスのないテールゲートやトリムを見せないフレームレスドアは、量産で実現するのが簡単ではないと考えられる。ニューヨークの会場には、この造形を市販車にするという決意を表す展示物「Impossible Panel」が置かれた。名前には、不可能を意味する英語が入っている。

ただし出力、加速、航続距離の数値はまだ確定していない。いずれも認証前のメーカー推定値で、市販仕様も発売前に変わる場合がある。走りや航続距離の評価は認証値が出て、実車に乗ってからになる。

超高級ブランドの電動化は、ジャガーだけの動きではない。2026年5月にはフェラーリが初の電気自動車「Ferrari Luce」を公開し、9月にはベントレーが同社初の完全電気自動車となるSUV「トルカル」を世界初公開した。ただしジャガーは、電気自動車のみのブランドとして再出発する点がこの2社とは異なる。

関連記事
ベントレー「トルカル」世界初公開 最高888PSの新型EV
ニュース

ベントレー「トルカル」世界初公開 最高888PSの新型EV

関連記事
フェラーリ・ルーチェ発表 フェラーリ初のフルEV 全スペック解説
ニュース

フェラーリ・ルーチェ発表 フェラーリ初のフルEV 全スペック解説

ジャガーは、Type 01をE-typeやXJSといった過去の名車に連なるクルマとしている。造形で記憶されてきたブランドが、その持ち味を電気自動車でも発揮できるかどうかがType 01の評価を分けると考えられる。

Type 01のスペックと価格まとめ

項目内容
ボディ形式4ドアGT、4人乗り
駆動方式3モーター全輪駆動
最高出力1,030PS
最大トルク1,365Nm
0-100km/h加速最短3.2秒
100-180km/h加速4.0秒
バッテリー容量(使用可能)118kWh
システム電圧850V
一充電走行距離(WLTPモード)最大720km(450マイル)。メーカー推定値で、21インチホイール装着時
航続距離(米国のEPA基準)最大400マイル(約644km)の見込み
急速充電(350kW)10%から80%まで最短22分、321km分を最短13分
充電規格(日本仕様)CHAdeMO
空気抵抗係数0.23
ホイール標準23インチ、オプションで21インチ
ラゲッジスペース450リットル超。液体を満たしたと仮定した計算値
保証(日本)車両3年、バッテリー8年または16万km
価格(日本、消費税込)Type 01 1030PS 2,188万円から、Design Vision 2,552万円から
受注と生産世界全体の受注は2027年初頭の見込み。生産は2027年開始、英国ソリハル工場

出力、加速、一充電走行距離はメーカー推定値で、認証試験の結果が出れば更新される。加速は、ジャガー・ランドローバーが世界向けに出したリリースの0-100km/hに合わせた。日本語の公式ページは、基準を0~96km/hと表記している。

「Type」の呼び名が最初に使われたのは、ルマンで優勝した1951年のC-typeだ。ジャガーは公道用のE-typeやF-TYPEを、力強い走りと洗練された乗り心地という2つの性格を1台に持つクルマの代表例として挙げている。Type 01でも、ジャガーは走りの2つの性格を打ち出している。

ジャガー Type 01はいつ発売されるのか

世界全体では、受注が2027年初頭に始まる見込みだ。生産は2027年に、英国のソリハル工場で始まる。

Type 00とType 01は何が違うのか

Type 00は2ドア2人乗りのコンセプトカーで、Type 01は4ドア4人乗りの市販車だ。造形の核は引き継がれ、一充電走行距離は目標の最大770kmから推定の最大720kmになった。

ジャガー Type 01の日本価格はいくらか

Type 01 1030PSが2,188万円から、Design Visionが2,552万円からで、いずれも消費税込みのメーカー希望小売価格だ。

ジャガー Type 01の航続距離と充電時間はどのくらいか

一充電走行距離は、WLTPモードで最大720kmだ。オプションの21インチホイールを装着した場合のメーカー推定値で、認証試験の結果が出れば更新される。350kWの急速充電器を使うと、10%から80%までを最短22分、321km分を最短13分で充電できる。

この記事について

執筆
ROADECT編集部
公開