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GR86一部改良、ソリッドグレー復活とアイサイト3眼化を解説
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GR86一部改良、ソリッドグレー復活とアイサイト3眼化を解説

トヨタとGAZOO Racingは、2012年に始まったTOYOTA 86の系譜を受け継ぐGR86を一部改良した。外板色の復活や内装刷新にとどまらず、アイサイトの3眼化やスーパー耐久で磨いた走行制御など、改良の背景にある技術的な作り込みを、姉妹車SUBARU BRZとの関係性も交えて解説する。

GAZOO Racingは2026年8月6日、GR86の一部改良モデルを発表した。2017年に期間限定色として設定していた「ソリッドグレー」を復活させ、電動パワーステアリングとスロットル制御を熟成させたほか、運転支援システム「アイサイト」を2眼カメラから3眼カメラへと刷新した。注文の受け付けは2026年8月28日から、全国のトヨタ車両販売店で始まる。

GR86に一部改良、8月28日から受注開始

2021年に登場したGR86(ZN8型)は、2012年に登場したTOYOTA 86の系譜を受け継ぐFRスポーツカーだ。軽快なハンドリングと高い運動性能で、FRスポーツカーならではの走る楽しさを幅広い世代に届けてきた。発売から5年が経った2026年8月6日、GAZOO Racingは一部改良モデルを発表した。世界各国での累計出荷台数は約11万台に達し、GR専用車種の中で最も多くの顧客に届いたモデルとなっている。

改良の柱は3つある。外板色と内装の意匠変更、スロットル制御・電動パワーステアリング・シフト操作性の熟成、そしてアイサイトの3眼カメラ化だ。価格はRC(6MT)の293.6万円からRZ(6AT)の361.6万円までの範囲に収まる。

GR86(一部改良モデル・外観)
出典: トヨタ自動車株式会社

ソリッドグレー復活とRZグレードの内装刷新

今回の改良で最も目を引くのが、外板色「ソリッドグレー」の復活だ。2017年に約半年間、TOYOTA 86の期間限定色として設定されていた色で、当時から根強い人気があった。約9年の時を経て、GR86の正式なラインナップカラーとして復活を果たしている。

GR86(ソリッドグレー)
出典: トヨタ自動車株式会社

RZグレードのインテリアにも変更が加えられた。スイッチ類はグリップ性を高めるとともに、光を反射しづらい鋳物ブラック塗装へと変更し、質感を高めながらドライバーが運転に集中できるよう配慮されている。注文時に選択できるブラック×レッドの内装色も、後期型のTOYOTA 86を想起させる、赤のアクセントがドライバーを囲むような配色に改められた。単なる懐古趣味ではなく、86が積み重ねてきた意匠の記憶を現行モデルに呼び戻す作業だといえる。

GR86 RZ(6MT、内装色:ブラック×レッド)
出典: トヨタ自動車株式会社

走行性能を熟成、スーパー耐久の知見を投入

走りの面では、プロドライバーと社内の評価ドライバー、エンジニアが一体となってサーキットとテストコースを走り込み、細部を作り込んでいる。

まずスロットルコントロールの制御を変更した。コーナー出口や低μ路、ウェット路面、雪道といった繊細な加速コントロールが求められる場面でも、踏力と加速がリニアに立ち上がる特性に仕上げている。ダイレクト感を保ちながら、どんな状況でもスムーズな加速を引き出せるようにした。

電動パワーステアリングの制御も変更された。この変更にはGR86でのスーパー耐久シリーズ参戦から得た経験が反映されており、高速コーナーや荒れた路面でのふらつきを抑え、狙ったラインを正確にトレースできる操舵を実現している。低重心からくるコーナリングの鋭さと楽しさは維持しつつ、安心感のある制御に仕上げた。

MT仕様には、誤った変速を防ぐシフトインターロックの面取りを約0.5mm拡大するという細かな変更が加えられている。5速から4速へのダウンシフト時の操作性が高まり、限界域でのコーナー進入から減速、旋回開始までの流れを途切れさせない。0.5mmという数字は量産車としては極めて細かい調整であり、走りに対するGRのこだわりの深さを物語っている。

シフト操作性向上イメージ
出典: トヨタ自動車株式会社

アイサイトが2眼から3眼カメラへ、低車高専用設計

安全装備では、運転支援システム「アイサイト」が2眼カメラから3眼カメラへとアップデートされた。従来の広角ステレオカメラに超広角の単眼カメラを新たに組み合わせる構成で、これまで以上に広い範囲を見渡せるようになっている。

スバルが開発するアイサイトは、2008年5月にレガシィで初搭載されて以来、段階的に進化を続けてきた技術だ。3眼カメラ構成自体は2022年に発表されたクロストレックで日本市場として初めて採用されて以降、順次採用車種を広げてきたが、BRZとGR86は導入が遅れていた車種だった。GR86への採用にあたっては「スポーツカー特有の低い車高にあわせて専用設計した」とされており、既存の3眼カメラをそのまま流用したものではない。車高の低いクーペボディに合わせてゼロから見直された専用設計である点に、この改良の技術的な意味がある。

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運転支援システム・アイサイト(3眼カメラ)
出典: トヨタ自動車株式会社

BRZも1週間前に改良、歩調を揃えるトヨタとスバル

GR86のこの改良には、もうひとつ重要な文脈がある。共同開発のプラットフォームを持つ姉妹車、SUBARU BRZが、GR86発表のわずか1週間前にあたる2026年7月30日、ほぼ同じ内容の一部改良モデルを発表していたのだ。

BRZの改良でも、MT車を含む全グレードにアイサイトの広角単眼カメラが新たに採用されて3眼化し、交差点衝突回避サポートの作動範囲が拡充された。シフト操作についても、スーパー耐久シリーズから得た知見を活かしてシフトレバー構造が変更され、よりスムーズな操作を実現している。GR86とBRZはエンジンとシャシーを共有する兄弟車であり、今回もその関係性が改良のタイミングと内容に表れた形だ。

一方で、2台の個性が分かれる部分もある。GR86はソリッドグレーの復活とRZグレードの内装変更で、TOYOTA 86から続く系譜を可視化した。対するBRZは、7色のボディカラー展開を軸にした改良となっている。同じ土台の上で、トヨタはGAZOO Racingの物語を、スバルは自社の色を、それぞれ描いている。この構図こそが、一部改良という地味な響きの裏にある、両社の開発体制の本気度を示している。

GR86の価格・グレード構成

GR86は3グレード構成で展開される。RZとSZはMT・ATの両方を選べるが、RCはMTのみの設定だ。

グレード6AT6MT
RZ361.6万円351.8万円
SZ329.3万円319.5万円
RC293.6万円

価格はいずれもメーカー希望小売価格(消費税込み)。エンジンはFA24型2.4L水平対向4気筒で、最高出力235PS、最大トルク250Nm〈25.5kgf・m〉を発生する。今回の改良による変更はない。

市販車とは別に、GR86とBRZ同士だけで争うワンメイクレース「GR86/BRZカップ」の参戦用車両「GR86 Cup Car Basic」にも変更が加えられる。2026年12月の生産開始を予定して、新たにAT仕様が設定される。これまでMT限定だった参戦車両にATという選択肢が加わることで、より多くのドライバーがスポーツ走行の楽しさに触れられるようにするのが狙いだ。

同じFRスポーツカーでは、マツダ・ロードスターも2026年6月に商品改良を発表し、MT車への走行支援機能追加や特別仕様車の新設定を行っている。GR86、BRZ、ロードスターという国産FRスポーツカー3台が、揃って2026年に手を加えられたことになる。

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スバルの3眼カメラ構成は、2022年に発表されたクロストレックで日本市場として初めて採用された。従来のステレオカメラに広角単眼カメラを組み合わせることで、画角は従来型の約2倍にまで拡大している。BRZとGR86はこの技術の導入が遅れていたスポーツカー2台だったが、2026年になってようやく3眼化が届いた。

GR86の一部改良でエンジン出力は変わったのか

変わっていない。今回の改良はFA24型2.4L水平対向4気筒エンジン(235PS/25.5kgf・m)を継続採用しており、パワートレインそのものへの変更はない。改良の中心は外板色・内装の意匠、スロットルやステアリングの制御、アイサイトの3眼化といった、走りの質感と安全性能に関わる部分だ。

GR86とBRZの改良内容の違いは何か

アイサイトの3眼化とシフト操作性の改善という技術的な核は共通している。違いが表れるのは意匠面で、GR86はソリッドグレーの復活とRZグレードの内装変更でTOYOTA 86の系譜を意識した仕上げに、BRZは7色のボディカラー展開を軸にした仕上げになっている。

GR86の一部改良モデルはいつから購入できるのか

2026年8月28日から、全国のトヨタ車両販売店で注文の受け付けが始まる。価格はRC(6MT)の293.6万円からRZ(6AT)の361.6万円までの範囲で、いずれもメーカー希望小売価格(消費税込み)だ。

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ROADECT編集部
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