ROADECT
フェアレディZ改良、NISMOに6速MT追加 573.8万円から
ニュース3,287字

フェアレディZ改良、NISMOに6速MT追加 573.8万円から

フェアレディZとNISMOが2026年8月27日にマイナーチェンジを迎えた。目玉は、2023年の登場以来9速AT専用だったNISMOに初めて設定された6速MTだ。Zエンブレム復活や新色「雲龍グリーン」など、初代S30型へのオマージュも随所に込めた。価格とグレード構成まで解説する。

日産自動車は2026年8月27日、「フェアレディZ」と「フェアレディZ NISMO」のマイナーチェンジを発表した。同日から発売している。フロントフェイスには初代S30型以来のZエンブレムが復活した。NISMOには2023年8月の登場以来はじめてとなる6速MTも新たに設定されている。ヘリテージへの回帰と走行性能の深化を、同時に狙った改良だ。

雲龍グリーンのフェアレディZ。明るいグレーのスタジオ背景で左前方3/4アングルから撮影。ブラックルーフとブラックのアルミホイールを組み合わせたロングノーズ・ショートデッキのプロポーション
出典: 日産自動車

フェアレディZ、ロングノーズで歴代へ回帰

今回のマイナーチェンジの核はエクステリアにある。フロントバンパーはノーズ先端を延長する形で刷新され、ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションがいっそう強調された。ロアバンパーからサイドへ流れる造形やダクト、ソナーの配置も見直し、フロントリフトと空気抵抗の低減を両立させている。

バンパー中央には、歴代モデルが受け継いできた「Z」モチーフのエンブレムを復活させた。採用されていたのは、1969年に登場した初代S30型から1989年のZ32型までだ。近年のフェアレディZは「NISSAN」ロゴを掲げてきた。今回、歴代オーナーにはおなじみの意匠がフロントフェイスに戻ってきたことになる。

雲龍グリーンのフェアレディZのフロント右側クローズアップ。ロングノーズのボンネットとシャープなLEDヘッドランプ、復活したフロントZエンブレムが確認できるスタジオ撮影カット
出典: 日産自動車

ホイールにも歴史への目配りがある。3代目Z31型の「エアロディッシュ・ホイール」をオマージュした幾何学パターンの切削加工を施した。軽量かつ高剛性なアルミ鍛造ホイールへと刷新している。フェアレディZの意匠は日産全体のデザイン言語にも影響してきた。

関連記事
日産Vモーションの進化史 2013年誕生から現行デザインまで
ヒストリー

日産Vモーションの進化史 2013年誕生から現行デザインまで

雲龍グリーンの現行フェアレディZと初代S30型フェアレディZが、緩やかにカーブする郊外の道路を並走する様子
出典: 日産自動車

雲龍グリーンに宿るグランプリグリーンの記憶

インテリアには、S30型をオマージュした新色「タン」をグレード別に設定した。上質な大人の空間を演出する色として、標準モデルの内装に新たに加わっている。

ボディカラーの目玉は新色「雲龍グリーン」だ。初代S30型のイメージカラーとして今も多くのファンに愛される「グランプリグリーン」から着想を得た色である。スーパーブラックとの2トーンとして設定され、標準モデルは2トーン5色、モノトーン5色の計10色をラインアップした。

メーターにも歴史を織り込んだ。12.3インチのフルカラー液晶メーターに、S30型からRZ34型まで歴代モデルのシルエットが次々と映し出される新しいオープニングムービーを設定し、起動のたびにフェアレディZの系譜を体感できるようにしている。

タン内装を採用したフェアレディZのコックピット。右ハンドル仕様のステアリングホイール、デジタルメーター、センターディスプレイを車内中央後方から撮影
出典: 日産自動車

NISMOに待望の6速MT、9速AT専用から転換

NISMOグレードにとって最大の変更は、6速MTの新設定だ。フェアレディZ NISMOは2023年8月の初登場以来、トランスミッションは9速ATのみに限られてきた。今回のマイナーチェンジで初めて、専用のショートストロークシフトを備えた6速MTがラインアップに加わった。

6MT専用にスロットルと点火タイミングの制御を最適化した。アクセルを踏んだ瞬間からリニアなレスポンスが立ち上がる。高回転域まで加速感が途切れないセッティングを狙っている。ドライブモードは「STANDARD」と「SPORT」の2種類を新設定し、モードに応じて加速時の排気音チューニングも変えた。「STANDARD」は、街中や長距離移動に適した控えめな音量にとどめている。「SPORT」は高回転域でのアクセルレスポンスと排気音を鮮明にし、高揚感のある走行体験を演出する。

フェアレディZ NISMOの6速マニュアルトランスミッション用シフトノブのクローズアップ。ブラックの球形シフトノブに1速から6速とリバースのシフトパターンが刻まれている
出典: 日産自動車

VDC(ビークルダイナミクスコントロール)には、NISMO専用の「TRACTION」モードを新たに設定した。アクセルとステアリング操作への応答性を高めるチューニングにより、ドライバーの意思に忠実な車両挙動を狙っている。MTの有無で走りの印象が大きく変わるのは、フェアレディZに限った話ではない。

関連記事
GR86とBRZの違いを徹底比較、エンジンから価格差まで解説
モデル

GR86とBRZの違いを徹底比較、エンジンから価格差まで解説

GT-R譲りのブレーキと足まわりの刷新

標準モデルには、大径モノチューブショックアブソーバーをグレード別に新採用した。ダンパー受圧面積を従来モデル比で26.6%向上させ、路面からの入力に対する車両姿勢の変化を抑えた。高速走行時でも、しなやかで安定した乗り心地を実現したという。

NISMOのブレーキには、「NISSAN GT-R」が採用してきた2ピースドリルドローターをフロントに搭載した。放熱性を高めながらバネ下重量を軽くする狙いがあり、軽量化にあわせて専用のサスペンションセッティングも見直している。ステアリングには摩擦を抑えたラックを採用し、コーナーで思い通りのラインを描ける操舵感を追求した。ブレーキキャリパーは新色のブライトレッドに塗られている。専用ボディカラーはNISMOステルスグレー/スーパーブラックを含む5色を用意した。

フェアレディZ NISMOの高性能ブレーキシステムのクローズアップ。ホイールを外した状態で、ベンチレーテッド構造の大型ドリルドブレーキローターとブライトレッドのキャリパーが写っている
出典: 日産自動車

共通の新装備として、最新のQi2規格対応ワイヤレス充電器を採用した。燃料タンク内にチャンバーを追加し、コーナリング中の燃料供給を安定させている。加えて、対自転車の制動要件に適合した衝突被害軽減ブレーキも搭載した。

なぜ今、ヘリテージへ回帰したのか

今回のマイナーチェンジを貫くのは、商品コンセプト「Dance Partner」の継承だ。ドライバーの意図に正確に応える操縦性と、クルマとの一体感を掲げるコンセプトである。そのうえで、歴代モデルへのオマージュを一段と強めている。エンブレムはS30型からZ32型、ホイールはZ31型、内装色とボディカラーはS30型と、意匠のほぼ全てに参照元がある。半世紀以上にわたる系譜を、懐古で終わらせず現行モデルの走行性能向上と結びつけている。

NISMOへの6速MT追加も、同じ文脈で読み解ける。電動化や自動変速機の高度化が進むスポーツカー市場において、ドライバーが変速に関わる楽しさをあえて残した。フェアレディZというブランドが誰に向けて作られているかを物語る判断だ。

フェアレディZ改良モデルの価格とグレード構成

新型「フェアレディZ」の全国希望小売価格は、消費税込みで以下の通りだ。

駆動トランスミッショングレード価格
2WD6MTフェアレディZ573.76万円
2WD6MTフェアレディZ Version S658.68万円
2WD6MTフェアレディZ Version ST699.93万円
2WD6MTフェアレディZ NISMO975.26万円
2WD9速ATフェアレディZ573.76万円
2WD9速ATフェアレディZ Version T619.96万円
2WD9速ATフェアレディZ Version ST699.93万円
2WD9速ATフェアレディZ NISMO975.26万円

NISMOグレードは特別塗装色の選択が必須となり、4.95万円からの特別塗装色代が車両本体価格に加算される。フェアレディZ、Version ST、NISMOの3グレードは6MTと9速ATで同額だ。6MT専用のVersion Sと9速AT専用のVersion Tだけは名称も価格も異なる。

フェアレディZ NISMOは、2024年11月発表の2025年モデルの時点でも新規受注が500台限定の抽選販売だった。長らく手に入りにくいグレードとして扱われてきたNISMOに待望の6速MTが加わったことは、多くのファンにとって二重の朗報といえる。

フェアレディZ NISMOに6速MTが設定されたのはいつか

2026年8月27日のマイナーチェンジで初めて設定された。フェアレディZ NISMOは2023年8月の登場以来、トランスミッションは9速ATのみだったが、今回のマイナーチェンジで専用ショートストロークの6速MTが新たにラインアップに加わった。

フェアレディZの新色「雲龍グリーン」とは何か

初代S30型のイメージカラーとして知られる「グランプリグリーン」から着想を得た新色だ。スーパーブラックとの2トーンとして設定され、標準モデルのボディカラー10色のひとつに数えられる。

この記事について

執筆
ROADECT編集部
公開