ROADECT
レクサスUX 2027年2月に生産終了 8年の歩みを振り返る
モデル3,849字

レクサスUX 2027年2月に生産終了 8年の歩みを振り返る

UX200/UX250hの2本立てで2018年11月27日に発売されたレクサスUXが、2027年2月に生産終了する。80以上の国と地域で累計約40万台を販売し、UX300e(BEV)の追加やUX300hへの改称を経てきたコンパクトクロスオーバーの8年間を振り返る。

レクサスUX、2027年2月に生産終了

レクサスは2026年9月、公式サイトに一つの告知を掲載した。「UXは2027年2月をもって生産終了する運びとなりました」。淡々とした一文だが、2018年から続いてきたコンパクトクロスオーバーの歴史に区切りをつける発表だ。

グレード「version C」とボディカラー「ソウ〈1M9〉」はすでに注文受付を終えており、他のグレードも生産予定台数に達した時点で順次販売を終える見込みだという。正式な最終生産日はまだ流動的だが、レクサスのラインアップから最も小さなクロスオーバーが姿を消す日は近い。トヨタはこの決定について、ブランド全体のモデルラインアップを総合的に勘案した結果だと説明している。

UX300h「Shining Essence」のキービジュアル
出典: レクサス

レクサス最小のSUVとして登場した2018年

UXが日本で発売されたのは2018年11月27日のことだ。掲げたコンセプトは「Creative Urban Explorer」。新たなライフスタイルを探求するきっかけになりたいという意味を込めた名前で、都会派コンパクトクロスオーバーとして位置づけられた一台だった。

それまでレクサスのSUVはNXやRXが中心だったが、全長4.5m、全幅1.84m、全高1.54mというUXのボディは、その2台よりもさらにコンパクトに仕立てられている。当時のレクサスのSUVラインアップのなかで最小となるサイズは、都市部の駐車場や道路事情にも収まりやすい。取り回しやすさを軸に据えることで、それまでレクサスに縁が薄かった若い世代や、都会に暮らすユーザーを新たに開拓する役割を担っていた。

UX200とUX250h、2本立ての船出

登場時のラインアップは2つだった。1つは2.0L直列4気筒エンジンを積む「UX200」で、最高出力174PS、最大トルク209N・mを発生する。もう1つは同じ2.0L直4にハイブリッドシステムを組み合わせた「UX250h」で、エンジン単体で146PS、フロントモーターで109PSを発生し、4WD仕様ではリヤモーターが7PSを担う構成だった。

ガソリンとハイブリッドという2つの選択肢を用意したこと自体は、当時のレクサスとしては珍しくない。しかしUXの場合、それをコンパクトなボディに落とし込んだことで、レクサスというブランドが持つ質感を、より手の届きやすいサイズ感で味わえる一台になった点が大きかった。

2018年当時、プレミアムブランドのコンパクトクロスオーバーという市場そのものが、まだ成熟しきっていなかった。BMWがX1やX2、メルセデス・ベンツがGLAで先行していたなか、レクサスは後発としてこの市場に参入している。都市部で扱いやすいサイズに、ハイブリッドという電動化の選択肢を早くから用意していたことは、後発だからこそ描けた設計思想だったともいえる。

世界80以上の国と地域へ 累計40万台という実績

UXは日本だけでなく、世界各地でレクサスの入り口として役割を果たしてきた。2026年6月末時点で、80以上の国と地域で累計約40万台を販売している。コンパクトなボディとレクサスらしい仕立ての良さという組み合わせは、都市部での移動が中心となる海外市場でも一定の支持を集めてきたことがうかがえる。

UX300eからUX300hへ 改良の道のり

UXの8年間は、レクサスの電動化戦略そのものを映す歩みでもあった。

最初の転機は2020年10月22日だ。レクサスブランド初の市販EVとなる「UX300e」が加わり、限定135台からの船出となった。ガソリン、ハイブリッド、そしてEVという3種類のパワートレインを1つのボディに収めるという、当時としては珍しい構成が生まれている。

2022年7月7日には一部改良を実施し、全国のレクサス店を通じて発売された。基本のパワートレイン構成は維持しつつ、特別仕様車の設定など商品力を磨き続けていた時期にあたる。

大きな再編が訪れたのは2023年12月19日である。ハイブリッドシステムを刷新してシステム最高出力を135kWから146kW(199PS)へと引き上げ、車名を「UX250h」から「UX300h」に改めた。同時にガソリン車の「UX200」を廃止し、UXはハイブリッドとEVのみのラインアップへと姿を変えている。電動車らしい伸びのある加速感を実現したことが、車名を変えるほどの改良だったという判断につながった。UX300eについても、駆動用電池のクーラーとヒーターを追加して急速充電時間を約25%短縮するなど、使い勝手の面での改良が続けられている。

その2年足らず後、電動化を象徴していたはずのUX300eが先にレクサスのラインアップから姿を消すことになる。2025年11月、UX300eは生産終了となり、UXのラインアップにはUX300hだけが残った。同じ年の12月4日には、64色の室内イルミネーションや新色の追加といった内装中心の一部改良も行われている。ガソリンからハイブリッドへ、そしてEVへと広げてきた選択肢が、最終的にはハイブリッド一本に収れんしていく。この流れは、レクサス全体の電動化戦略が現実の販売動向とすり合わせながら進んできたことを物語っている。

関連記事
新型レクサスES発売 BEV航続670km・全7グレード790万円から
ニュース

新型レクサスES発売 BEV航続670km・全7グレード790万円から

出典: Lexus JP / レクサス

生産終了直前のUX300h、全6パッケージという最終形

生産終了を迎える直前のUXは、「Shining Essence」「version L」「F SPORT」という3つのグレードを、それぞれ2WDとAWDで揃えた全6パッケージ構成にまとまっていた。全車が2.0L直列4気筒エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせたHEV専用モデルで、価格は521万円から575.7万円の範囲に収まっている。

Shining Essenceという有終の美

生産終了の告知に先立つ2026年9月1日、UX300hに特別仕様車「Shining Essence」が追加された。新色「SOU(蒼)」を含む全8色のボディカラーや、レクサス初となるレイヤーグリッド加飾など、日常を明るく彩る上質さをテーマにした一台だった。インテリアにはパーフォレーション付きのL texシートを備え、運転席と助手席にはベンチレーション機能とシートヒーターが標準で組み込まれている。快適装備としてパノラミックビューモニターやハンズフリーパワーバックドア、カラーヘッドアップディスプレイも用意され、価格は2WDで521万円、AWDで547.5万円からとなっていた。

この時点では生産終了はまだ公表されていなかったが、結果としてShining Essenceは、UXというクルマが最後に見せた表情になった。派手な変更ではなく、色や加飾といった細部への配慮を積み重ねる姿勢は、UXが8年間貫いてきたものづくりの延長線上にある。生産終了という言葉から連想されるような駆け込みの特別仕様ではなく、あくまで日常のドライブを少し豊かにするための一台として設計されていた点は、UXらしい締めくくり方だったといえる。

関連記事
レクサスUX300h「Shining Essence」9月1日発売
ニュース

レクサスUX300h「Shining Essence」9月1日発売

生産終了後のレクサス、コンパクトSUVの行方

UXの生産終了後、レクサスのラインアップで最も小さなSUVを担うのは、2023年に投入された「LBX」になると考えられる。UXの直接的な後継モデルについて、レクサスは公式に発表していない。

レクサスはミッドサイズSUVのNXも刷新を進めており、コンパクトからミッドサイズまでのSUVラインアップは、UXの生産終了を機に静かに再編されつつある。

関連記事
新型レクサスNX世界初公開、水平基調の新コックピットに刷新
ニュース

新型レクサスNX世界初公開、水平基調の新コックピットに刷新

生産が終わることは、市場からの評価が終わることを意味しない。中古車市場では、生産終了が発表されたモデルの相場が底堅く推移する例は少なくない。都市部での扱いやすさと、レクサスらしい仕立ての良さを両立させたUXは、これから中古車として新たな所有者のもとに渡っていくクルマでもある。

2018年に「新たなライフスタイルの探求」を掲げて登場したUXは、電動化という時代の変化を先取りしながら8年余りを走り抜けた。ガソリンから始まり、ハイブリッドを主軸に据え、一度はEVにも手を伸ばした末に、最後はハイブリッド専用車として幕を閉じる。その紆余曲折そのものが、電動化という大きな潮流のなかでレクサスが手探りを重ねてきた記録でもある。

生産終了は、その挑戦がひとまず区切りを迎える瞬間であって、レクサスというブランドにとって都会派クロスオーバーという発想そのものが終わるわけではない。UXが切り拓いた「コンパクトでもレクサスらしくある」という設計思想は、LBXをはじめとする次の世代へと形を変えて受け継がれていく。

UXが2020年に追加した「UX300e」は、レクサスブランド初の市販EVだった。ガソリン、ハイブリッド、EVという3種類のパワートレインを1つのボディに用意した構成は、電動化への移行期にあったレクサスの姿勢をそのまま映していた。

なぜレクサスUXは生産終了するのか

トヨタはブランド全体のモデルラインアップを総合的に勘案した結果だと説明しており、販売不振など具体的な理由は明らかにされていない。

レクサスUXの後継モデルはあるのか

レクサスから公式な後継モデルの発表はない。コンパクトSUVの役割は、2023年に投入された「LBX」が担うと考えられる。

レクサスUXはいつからいつまで販売されたのか

2018年11月27日に発売され、2027年2月に生産終了する予定だ。約8年余りの販売期間となる。

この記事について

執筆
ROADECT編集部
公開