新型レクサスES発売 BEV航続670km・全7グレード790万円から
フルモデルチェンジを果たした新型レクサスESが2026年6月11日に発売された。BEVを主力に据えた全7グレード体制で、航続670km・最安790万円という数値は国産プレミアムセダンの新しい基準を示す。世界初の物理スイッチ技術「レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ」など、設計思想の転換点でもある1台だ。
レクサスが2026年6月11日、新型ESを発売した。フルモデルチェンジとなる新型は、5グレードのBEV(電気自動車)と2グレードのHEVで構成される全7グレード体制だ。前輪駆動BEVのES350eはWLTCモードで670kmを達成し、国産プレミアムセダンとしてひとつの水準を示した。
価格は790万円から。HEVの最安グレードと同額でBEVが選べる設定は、「電動化への移行」を後押しする意図が透けて見える。
7グレード構成、790万円からBEVとHEVが並ぶ
新型ESのラインアップは以下のとおりだ。
| グレード | パワートレーン | 駆動 | 価格 |
|---|---|---|---|
| ES350h | HEV(2.5L L4) | FF | 790万円 |
| ES350h | HEV(2.5L L4) | AWD | 810万円 |
| ES350e | BEV | FF | 790万円 |
| ES350e "version L" | BEV | FF | 880万円 |
| ES350e "Rr Comfort package" | BEV | FF | 920万円 |
| ES500e | BEV | AWD | 830万円 |
| ES500e "version L" | BEV | AWD | 920万円 |
BEV最安のES350eとHEVのES350hは、ともに790万円スタートで価格差ゼロだ。国のEV補助金を適用すれば、実質的にはBEVの方が安くなる計算になる。BEVを「試す」ための価格的な障壁を意図的に取り除いた設計といえる。
全長4,975mmの旧型(AXZH10型)から5,140mm・全幅1,920mmへと大型化した。増分は全長で165mm、全幅で55mmだ。レクサスのフラッグシップセダンLSが全長5,235mmであることを考えると、新型ESはその直下に迫るサイズ感になる。
BEVとして見た新型ESの実力
新型ESのBEVは、ES350eとES500eで74.7kWhのバッテリーを共用する。搭載容量が同じでも、WLTCモードの航続距離には差がある。
前輪駆動のES350eは221hp(約165kW)の出力でWLTC航続670kmを達成する。前後2モーターを搭載するES500eは338hp(約252kW)で636kmだ。後者はAWD化による電力消費の増大が航続に影響している。加速はES500eが0-100km/h換算で約5.7秒、ES350eは約7.4秒と、用途によって選択が分かれる構造だ。
ES500eのAWDシステムには「DIRECT4」を採用している。前後の駆動トルク配分を100:0から0:100まで連続的に変化させる電動四輪駆動で、旋回中の安定性や発進時の駆動力を状況に応じて最適化する。
急速充電は両モデルとも150kWの直流充電に対応し、充電率10%から80%まで約28分が目安だ。自宅での普通充電(AC 11kW)では、フル充電まで約7時間かかる。レクサスはBEV全グレードの購入者に自宅用普通充電器と設置基本工事を無料で提供する。
HEVのES350hは第6世代のトヨタハイブリッドシステムを搭載する。2.5リッター直列4気筒エンジンとの組み合わせで、WLTCモードの燃費は前輪駆動が25.4km/L、四輪駆動が24.8km/Lだ。
「レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ」が示す設計思想
新型ESのインテリアで最も注目される技術が、「レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ」だ。世界初採用とレクサスが謳う物理スイッチで、その仕組みはシンプルだ。通常時はインテリアパネルに溶け込んで存在を主張しない。手をかざすと機能アイコンが点灯し、押して操作できる。
近年の高級車は、センターコンソールのほぼ全域をタッチパネルに置き換える設計が主流になりつつあった。操作の自由度は高い一方、ドライバーは画面に視線を落とすか、手探りに頼らざるを得ない。物理スイッチなら手がスイッチに触れた瞬間に位置を把握できる。
この「隠れる物理スイッチ」は、タッチパネルの視覚的なすっきり感と物理操作の直感的なフィードバックを両立しようとする試みだ。アウディも2026年A5モデルで物理スイッチの一部復活を選択している。高級車の「物理操作回帰」という大きな流れの中で、レクサスはその最前線に立った形になる。
ES350eとES500eの違いは何ですか?
ES350eは前輪駆動(221hp)でWLTC航続670km、ES500eは前後2モーターAWD(338hp)で636kmだ。バッテリー容量は74.7kWhで共通だが、AWD化による電力消費の増大が航続の差に表れている。走りの余裕を優先するならES500e、航続距離を重視するならES350eが選択肢になる。
BEVとHEVはどちらを選べばよいですか?
最安グレードの価格はBEV・HEVともに790万円で差はない。国のEV補助金を活用すると実質的にはBEVの方が安くなる可能性があるため、自宅に充電設備を置ける環境があればBEVが現実的な選択肢だ。レクサスはBEV購入者に自宅充電器と基本設置工事を無料で提供しており、充電インフラの準備コストは軽減される。
急速充電にはどれくらいの時間がかかりますか?
150kWの直流急速充電に対応しており、充電率10%から80%まで約28分が目安だ。自宅での普通充電(交流11kW)ではフル充電まで約7時間かかる。


