新型パジェロ世界初披露 10月1日予約開始のフラッグシップSUV
三菱自動車が2026年9月2日に世界初披露した新型パジェロは、専用開発の2.4Lクリーンディーゼルと新開発のS-AWCを組み合わせ、初代から続く悪路走破性の思想に上質さを加えたフラッグシップSUVだ。デザイン・パワートレイン・安全装備の刷新点から、国内の予約注文開始日まで、発表内容をまとめる。
三菱自動車は2026年9月2日、クロスカントリーSUV「パジェロ」をフルモデルチェンジし、新型パジェロとして世界初披露した。1982年の初代登場から44年、2006年に登場した4代目の発売からは20年を経てのフルモデルチェンジだ。三菱自動車が2030年代に向けて掲げる中長期ビジョンの第一弾にも位置づけられている。
デザイン・パワートレイン・安全装備のすべてが刷新された。初代から一貫する悪路走破性と快適性の両立という思想に、フラッグシップにふさわしい上質さが新たに加わっている。
三菱が新型パジェロを世界初披露 2026年度にタイから始動
新型パジェロは、生産拠点となるタイでの生産を2026年度に開始したのち、日本とオーストラリアへ順次投入される計画だ。その後はアセアン地域や中南米、中東など、世界約100カ国への展開が予定されている。
国内では、パジェロ特設サイトで予約注文の開始が10月1日からと告知されている。一方で、価格やグレード構成、具体的な発売時期については、2026年9月2日の発表時点では明らかにされていない。
新型パジェロのデザインに見る歴代からの継承
デザインコンセプトに掲げるのは、泰然自若とした佇まいを表す「グランドカリスマ」だ。初代から受け継ぐ水平基調のスクエアなプロポーションはそのままに、T字型のヘッドライトと、横桟とハニカムの2種類から選べるフロントグリルで、現代的な表情に更新した。
リアに向かってせり上がるCピラーは、初代のロールバーから着想を得たデザインだ。リアは歴代モデルの背面タイヤを彷彿とさせるヘキサゴンのモチーフを取り入れ、歴史の面影を残しながら新しさを打ち出している。
室内は水平基調のインストルメントパネルに、14.3インチの大型ディスプレイを2枚配置した。初代から続く3連メーターは、高度計や方位計、温度計を表示できるデジタルのマルチメーターとして生まれ変わっている。京都に伝わる伝統技法「木目込み」に着想を得た仕立てを、合皮のソフトパッドに職人が手作業で施し、フラッグシップにふさわしい質感を演出した。外装色にはアーマーカッパーメタリックとファントムブルーメタリックの2色が用意される。
パワートレインと4WDシステムが実現する走破性能
パワートレインには、専用開発の2.4Lクリーンディーゼルエンジンを搭載する。ワイドレンジシングルVGターボにより最大トルク480N・mを発生し、仕様によっては470N・mとなる場合もある。新開発の8速オートマチックが組み合わされる。
車体を支えるのは、高張力鋼板を採用した高剛性ラダーフレームだ。フロントにはダブルウィッシュボーン式、リヤには新開発の5リンク式リジッドを採用し、悪路での路面追従性とオンロードでの乗り心地を両立させる。
4WDシステムには「スーパーセレクト4WD-II」を搭載し、2H・4H・4HLc・4LLcの4モードを走行状況に応じて選べる。さらに、4輪の駆動力と制動力を統合制御する「S-AWC」が新たに加わり、NORMAL・ECO・GRAVEL・SNOW・MUD・SAND・ROCKの7つのドライブモードと連動する。
S-AWCは、ランサーエボリューションの開発を通じて確立された三菱の四輪制御技術だ。2026年1月には、同じ三菱のミニバン、デリカD:5にも初めて搭載されている。
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低回転域から粘り強いトルクを発生させるディーゼルエンジンの特性は、悪路での走破性や重量物を積んだときの走り出しで生きてくる。
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車体サイズは全長4,920mm、全幅1,925mmのボディに、20インチタイヤ装着車で全高1,910mmという堂々としたサイズを持つ。ホイールベースは2,870mm、最低地上高は230mmを確保した。悪路走行の指標となるアプローチアングルは30.4度、ランプブレークオーバーアングルは22.6度、デパーチャーアングルは25.8度で、いずれも本格的なクロスカントリー4WDとしての走破性能を裏づける数値だ。
初採用の安全装備とフラッグシップの快適装備
安全装備では、緊急時車線維持支援機能「ELA」とSRSセンターエアバッグを新たに採用した。歩行者や自転車、自動二輪車を検知する衝突被害軽減ブレーキ「FCM」や、前方衝突予測警報「PFCW」、前進時交差車両検知警報「FCTA」も備える。高速道路での同一車線運転を支援する「マイパイロット」も搭載し、エアバッグは合計8つを備えた。
視界の確保には、毎秒約30枚の映像を表示する3Dマルチアラウンドモニターと、車両の直下を映すフロントアンダーフロアビューを用意し、悪路走行時の視認性を高めている。
室内は3列7名乗車で、2列目シートには150mmのロングスライド機能を備え、乗り降りのしやすさを高めた。3列目も大人が着座できる頭上空間を確保している。音響にはヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」を採用し、12個のスピーカーとデュアルアンプで、走行速度に応じて音質を自動調整する。コネクテッドサービス「MITSUBISHI CONNECT」では、エアコンの遠隔操作や車両状態の確認、緊急時のSOSコールにも対応する。
パジェロシリーズを掲げる新たな旗艦戦略
三菱自動車は新型パジェロを、初代から一貫して培ってきた悪路走破性・信頼性と、快適性と扱いやすさを両立させる商品思想を継承しながら、フラッグシップにふさわしい上質さを新たに加えたモデルと位置づけている。
岸浦恵介取締役代表執行役社長兼COOは、新型パジェロについて「この後に続く『パジェロ』シリーズをはじめ、すべての三菱車を牽引していくフラッグシップモデルです」と説明する。三菱自動車が掲げる2030年代に向けた中長期ビジョンの第一弾として、新型パジェロは単発の新型車ではなく、新しいシリーズの起点に位置づけられている。
パジェロは1982年の初代登場から、世界170以上の国と地域で累計329万台を送り出してきた。積み重ねてきた歴史の詳細は、以下の記事で振り返ることができる。
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歴代が守り続けてきた思想に上質さという新しい軸を加えたことは、フラッグシップとしての説得力を高める判断と言えるだろう。44年にわたって積み重ねてきた信頼を土台に、新型パジェロがどんな走りを見せるのか、世界約100カ国への展開が進むこれからに注目したい。
新型パジェロのスペックまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンジン | 2.4Lクリーンディーゼル、ワイドレンジシングルVGターボ |
| 最大トルク | 480N・m、仕様により470N・m |
| トランスミッション | 8速オートマチック |
| 4WDシステム | スーパーセレクト4WD-II、S-AWC |
| 全長×全幅×全高 | 4,920mm×1,925mm×1,910mm |
| ホイールベース | 2,870mm |
| 最低地上高 | 230mm |
| 乗車定員 | 3列7名 |
| 価格 | 2026年9月2日時点で未発表 |
| 発売時期 | 2026年度にタイで生産開始、日本・オーストラリアへ順次投入。国内の予約注文は10月1日開始、発売日は未発表 |
新型パジェロに用意される外装色「ファントムブルーメタリック」は、光の当たる角度によって影の部分にゴールドのハイライトが浮かび上がる特殊な仕上げだ。三菱自動車が公式に明らかにした数少ないカラー情報のひとつであり、フラッグシップにふさわしい質感へのこだわりがうかがえる。
新型パジェロはいつ発売されるか
2026年9月2日時点で正式な発売日は未発表だが、国内の予約注文は10月1日から開始される。2026年度にはタイでの生産を皮切りに、日本・オーストラリアへの投入が計画されている。
新型パジェロはどこで生産されるか
タイで2026年度に生産が始まり、日本・オーストラリアへ順次投入される。その後、アセアン・中南米・中東など世界約100カ国への展開が予定されている。
この記事について
- 執筆
- ROADECT編集部
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