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三菱パジェロの歴史 4代39年・累計325万台の系譜と新型継承
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三菱パジェロの歴史 4代39年・累計325万台の系譜と新型継承

三菱パジェロは1982年の初代登場から2019年の国内生産終了まで、4世代39年にわたり悪路走破性と快適性の両立を追求してきた。独立懸架やスーパーセレクト4WDといった技術革新と、パリ・ダカール・ラリーでの通算12勝という実績を辿り、2026年秋公開の新型が何を継承するのかも紐解く。

三菱自動車は2026年5月29日、新型パジェロを2026年秋に世界初公開すると発表した。1982年5月の初代登場から数えて4世代、約39年におよぶ歴史を持つパジェロが、新しい姿でふたたび舞台に上がる。

本格的なクロスカントリー4WDとしての走破性能を軸に据えながら、パジェロは世代を重ねるごとに乗り心地や安全性を進化させてきた。新型が発表を控える今、歴代パジェロが積み上げてきた技術革新とパリ・ダカール・ラリーでの戦績を辿りながら、その系譜を追う。

新型パジェロ イメージ(本文用)
出典: 三菱自動車

三菱パジェロとは 本格クロスカントリー4WDの原点

三菱自動車は1982年5月、「パジェロ」の名で本格的なクロスカントリー4WDを発売した。長年のジープ生産で培った悪路走破性能を土台にしながら、フロントサスペンションに独立懸架を採用したことが最大の革新だった。

当時の本格4WD車は前後とも硬いリジッドアクスルを備えるのが一般的で、悪路性能を優先するあまり乗り心地は後回しにされてきた。パジェロは「クロスカントリー4WD車の走破性に、乗用車の快適性を融合させた新コンセプトのRV」として登場した。悪路も普段使いもこなせる4WDという、新しい市場を切り拓いた一台だった。

この思想は以後4世代、約39年にわたって受け継がれた。パジェロは世界170以上の国と地域で、累計325万台以上を送り出している。三菱自動車を象徴するモデルとして、1990年代の日本のRVブームを主導した存在でもある。当時の日本では、悪路走破性を備えたクルマ全般が「RV(レクリエーショナルビークル)」と呼ばれていた。SUVという呼び名が定着する以前から、パジェロは悪路も普段使いもこなせるクルマの象徴として広く知られていた。

同時代には、トヨタのランドクルーザーや日産のサファリといった本格クロスカントリー4WDも存在した。それらの多くが悪路性能を優先した硬めの乗り味だったのに対し、パジェロは独立懸架によって乗用車に近い快適性を早くから実現した点で異彩を放っていた。

初代から4代目まで 4世代39年の系譜

パジェロは4回のフルモデルチェンジを経て、駆動方式やボディ構造を大きく進化させてきた。世代ごとの技術的な転換点を辿ると、パジェロが何を守り、何を変えてきたのかが見えてくる。

世代生産期間技術的な転換点
初代1982年〜1990年独立懸架サスペンションで悪路性能と乗り心地を両立
2代目1991年〜1999年世界初のスーパーセレクト4WDを搭載
3代目1999年〜2006年モノコック「ビルトインフレーム」構造へ転換
4代目2006年〜2019年ASTCを搭載、2019年に国内生産終了

初代 独立懸架による走りと快適性の両立

初代パジェロは1982年5月に発売された。フロントにはダブルウィッシュボーン式の独立懸架を採用し、縦置きトーションバーで支える構成とした。これにより、悪路での走破性を保ちながら、オンロードでの乗り心地と操縦性を高めている。リアは固定軸にリーフスプリングを組み合わせ、悪路での耐久性を確保した。

1983年には5ナンバーサイズのワゴンとロングボディが追加され、1985年にはオートマチック仕様も設定された。本革シートを備える上級グレード「エクシード」も加わり、悪路走破車としてだけでなく、上質な乗用車としての選択肢も広がっていった。

パジェロ初代
出典: 三菱自動車

2代目 世界初スーパーセレクト4WDとRVブーム

1991年1月に登場した2代目は、3列シートの採用で室内空間を拡大し、より実用的なファミリーカーとしての性格を強めた。最大の技術的到達点は、世界で初めて搭載された「スーパーセレクト4WD」だ。それまでの4WD車は、停車してレバーを操作しなければ駆動方式を切り替えられなかった。スーパーセレクト4WDは、走行中のままモードを切り替えられる点が画期的だった。直噴方式のGDIエンジンも追加され、動力性能と環境性能の両立も進んだ。

2代目は日本国内のRVブームやスキー文化を牽引した世代でもある。1994年のパジェロミニ、1995年のパジェロジュニアといったコンパクトな派生モデルも次々に生まれた。1997年には、ダカール・ラリーへの参戦条件を満たすために市販された特別仕様車、パジェロエボリューションも登場している。海外専売のチャレンジャーも1996年に加わっている。海外では「モンテロスポーツ」など、地域によって異なる名称でも販売された。

パジェロ2代目
出典: 三菱自動車

3代目 モノコック化がもたらした操縦安定性

1999年9月、3代目はフルモデルチェンジを受けた。初代・2代目まで踏襲してきたラダーフレーム構造から、モノコックボディにフレームの強度を組み込んだ「ビルトインフレーム」構造へと移行している。悪路走破に必要な剛性を確保しながら車体を軽くし、オンロードでの操縦安定性と乗り心地を高める狙いがあった。

ボディはショートとロングの2種類を用意し、幅広いユーザー層に対応した。この設計転換により、パジェロは牽引力や長距離走行性能でも評価を高め、海外市場でも支持を広げていった。

パジェロ3代目
出典: 三菱自動車

4代目 安全技術の進化と生産終了まで

2006年10月に登場した4代目は、四輪独立懸架と進化版の「スーパーセレクト4WD-II」を採用した。これに加えて、ASTC(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)を新たに搭載している。滑りやすい路面での姿勢制御を、コンピューターが支援する仕組みだ。ドライバーの技量だけに頼らず、電子制御で安全性を積極的に高める方向への転換でもあった。2010年には、当時の排出ガス規制に対応した3.2Lのクリーンディーゼルターボエンジンも追加されている。

4代目は結果として、パジェロにとって最後の世代になった。国内向けの生産は2019年に、海外向けの生産・輸出も2021年に終了している。初代の登場から約39年、4世代を通じた累計販売台数は325万台以上、販売地域は170以上の国と地域に及んだ。

パジェロ4代目
出典: 三菱自動車

パリ・ダカール・ラリーで証明した走破性能

パジェロの走破性能を語るうえで欠かせないのが、パリ・ダカール・ラリーでの戦績だ。長距離の悪路を走り抜く過酷なラリー競技で、かつてはパリを起点にアフリカ大陸を縦断するコースで開催されていた。三菱自動車は1983年にパジェロで初参戦し、1985年には日本車として初めての総合優勝を果たした。以後2009年の参戦終了までの26回で、通算12勝を記録している。

ダカールラリー 1985年
出典: 三菱自動車

特筆すべきは2001年から2007年にかけての7連覇だ。この間の2002年と2003年には、増岡浩が連覇を果たしている。1997年には、篠塚建次郎が日本人ドライバーとして初めて総合優勝を成し遂げた。

過酷な砂漠を走り抜く競技で積み重ねた技術とノウハウは、市販車の耐久性や走破性能にも生かされてきた。三菱自動車は2009年の参戦を最後に、ワークス活動を終えている。それでもパジェロが「ラリーで鍛えられたクルマ」として記憶されているのは、この12勝という実績があってのことだ。

ダカールラリー 2002年
出典: 三菱自動車

新型パジェロが継承するもの、変えるもの

2026年5月29日、三菱自動車は新型パジェロを2026年秋に世界初公開すると発表した。目指すのは、悪路走破性と上質な乗り心地の両立だ。ベースとなるのは、高い堅牢性を持つピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームで、専用開発のキャビンと前後サスペンションを組み合わせる。3代目以降のモノコック化とは異なる選択だが、初代・2代目が体現してきた「本格的な悪路走破性」への原点回帰とも読める判断だ。

新型には、四輪制御システム「S-AWC」が新たに搭載される。S-AWCは「スーパー・オールホイール・コントロール」の略称で、前後輪間や左右輪間の駆動力配分を統合制御する三菱の四輪制御技術だ。ランサーエボリューションの開発を通じて確立された技術体系で、2026年1月には同じ三菱のデリカD:5にも初めて搭載された。

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開発のテーマに掲げられているのは「変えるものと、変わらないもの」だ。伝統的な3連マルチメーターをデジタル表現で進化させる方針や、ダカール・ラリーで培ったDNAを継承する姿勢が、その一例だ。そこからは、4世代39年の歴史を土台にしながら新しい技術で更新していこうとする意図が見える。パワートレインなど具体的な仕様は2026年8月時点で明らかになっていないが、世界初公開となる2026年秋に向けて、今後さらに情報が公開されていく見込みだ。

初代から積み重ねてきた「悪路走破性と快適性の両立」という思想と、ダカール・ラリーで磨かれた耐久性は、新型にも受け継がれていく。39年の歴史を知ったうえで新型パジェロを見ると、その一台の見え方も変わってくるはずだ。

新型パジェロ イメージ
出典: 三菱自動車

パリ・ダカール・ラリーでパジェロが刻んだ記録は、男性ドライバーだけのものではない。2001年の大会では、女性ドライバーとして初めての総合優勝もパジェロによって達成されている。悪路を制する走破性能は、性別を問わずドライバーの実力を映し出す舞台になっていた。

パジェロの生産はいつ終了したのか

国内向けの生産は2019年に終了し、海外向けの生産・輸出も2021年に終了した。1982年の初代登場から数えて約39年、4世代を通じた累計販売台数は325万台以上にのぼる。

パジェロはパリ・ダカール・ラリーで何回優勝したか

1983年の初参戦から2009年までの26回の参戦で、通算12勝を記録している。特に2001年から2007年にかけては7連覇を達成し、砂漠を舞台にした過酷な競技で走破性能を証明し続けた。

スーパーセレクト4WDとは何か

1991年に登場した2代目パジェロが世界で初めて搭載した4WDシステムだ。停車せずに走行中のまま2WDと4WDを切り替えられる点が革新的で、それまで手間がかかっていた駆動方式の変更を簡略化した。

新型パジェロはいつ発表されるのか

三菱自動車は2026年秋に新型パジェロを世界初公開すると発表している。2026年8月時点ではパワートレインなど詳細な仕様は明らかになっていないが、S-AWCの新搭載やラダーフレーム構造の継続が示唆されている。

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ROADECT編集部
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