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エクストレイルとアウトランダー 共通プラットフォームと本当の違い
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エクストレイルとアウトランダー 共通プラットフォームと本当の違い

日産エクストレイル(T33型)と三菱アウトランダーPHEV(GN0W型)は、ルノー・日産・三菱アライアンスが認めるC/Dセグメント共通プラットフォームの兄弟車だ。ホイールベース2705mmの完全一致という具体的な数字を手がかりに、両社がどこを共有し、どこで独自色を出したのかを一次資料から読み解く。

日産エクストレイルと三菱アウトランダーPHEV、この2台のSUVは驚くほど近い関係にある。ホイールベースはどちらも2705mmでまったく同じだ。ルノー・日産・三菱アライアンスが公式に認める、C/Dセグメントの共通プラットフォームから生まれた兄弟車である。それでも、走らせればまったく違う性格を見せる。エンジンとモーターの組み合わせ方も、4輪を制御する思想も、値付けの仕方さえも異なる。同じ土台をもとに、2社が何を共有し、何を作り分けたのかを追う。

エクストレイルとアウトランダーが共有する開発基盤

ルノー・日産・三菱アライアンスは2020年5月、各社が得意分野をリードしながら開発を分担する「リーダーとフォロワー」という協業の枠組みを打ち出した。この体制のもとで2022年1月に発表された中期ロードマップ「Alliance 2030」では、プラットフォームの共用化率を2020年時点の60%から2026年までに80%以上へ高める方針が示されている。

その具体例として名指しされたのが、日産のキャシュカイとエクストレイル、三菱のアウトランダー、そしてルノーのオーストラルだ。C/Dセグメントの共通プラットフォームを土台に、3ブランド5モデルが作り分けられているとアライアンスは説明する。共用化する範囲と差別化する範囲をあらかじめ切り分ける「Smart Differentiation」という手法にもとづく展開だという。

実際に諸元を並べると、その関係は数字にはっきり表れる。エクストレイルのホイールベースは2705mmで、アウトランダーPHEVも寸分違わず同じ2705mmだ。全長はアウトランダーPHEVが4720mmとエクストレイルの4690mmよりわずかに長く、全幅も1860mmと20mm広いが、クルマの骨格そのものを決めるホイールベースだけは完全に一致している。

項目エクストレイルアウトランダーPHEV
全長4690mm4720mm
全幅1840mm1860mm
全高1720mm1745〜1750mm
ホイールベース2705mm2705mm
トレッド(前/後)1585mm/1590mm1590mm/1595mm
最低地上高185〜200mm195〜200mm

こうして並べると、両車が同じ設計図を共有していることがよく分かる。全長・全幅・トレッドにはグレードごとの微差があるが、いずれも数十mm単位の違いにとどまる。骨格の要であるホイールベースだけは、両ブランドとも一切手を加えていない。

もっとも、三菱自身の説明はやや異なる響きを持つ。2021年、新型アウトランダーの開発シーンを公開した際、三菱は「新開発のプラットフォーム」という表現を使い、日産との関係には直接触れなかった。アライアンスとしての公式発表と、個別ブランドが語る言葉のあいだには、こうした温度差がある。どちらも嘘ではない。共有する基盤をもとに、各社が自分たちの物語をどう語るかという姿勢の違いそのものが、Smart Differentiationの精神を映し出しているとも言える。

アウトランダーPHEV 外観(「威風堂々」のデザインコンセプトを体現したフロントスタイル)
出典: 三菱自動車株式会社

e-POWERとPHEV 電動化方式の違い

エクストレイルが搭載するのは、e-POWERと呼ばれる日産独自の電動駆動システムだ。エンジンは発電だけを担い、タイヤを直接駆動することはない。走りはすべてモーターが受け持つ。アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮するモーター駆動ならではの滑らかな加速が持ち味で、外部からの充電は必要としない。発電用エンジンには可変圧縮比ターボの「VCターボ」を採用し、最高出力106kW[144PS]を発生する。

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一方のアウトランダーPHEVは、プラグインハイブリッドという名のとおり外部充電に対応する。バッテリーの電力だけでWLTCモード102kmから106kmを走行でき、日常の移動の大半を電気だけでまかなえる設計だ。バッテリーの電力を使い切れば、エンジンも駆動に加わってハイブリッド車として走り続ける。e-POWERが「充電インフラに頼らない電動の走り」を追求したのに対し、アウトランダーPHEVは「充電できる環境では電気で、そうでなければハイブリッドで」という両立を選んでいる。

項目エクストレイル(e-POWER)アウトランダーPHEV
電動化方式シリーズハイブリッド(外部充電不可)プラグインハイブリッド(外部充電可)
発電用エンジン最高出力106kW[144PS]/4400-5000rpm
モーター最高出力(前/後)150kW[204PS]/100kW[136PS](e-4ORCE車)
EV走行距離(WLTC)該当なし102〜106km
燃費(WLTC)17.9〜19.4km/L17.2〜17.6km/L
4WDシステムe-4ORCES-AWC

4輪制御の思想にも違いが表れる。エクストレイルのe-4ORCEは、前後2つのモーターとブレーキを統合制御し、駆動力配分を100対0から0対100まで自在に変える。従来の機械式4WDが構造上50対50までしか配分を変えられないのに対し、電動ならではの精度とスピードでグリップを引き出す仕組みだ。コーナリング中は外側の車輪にトルクを厚く配分してアンダーステアを抑え、減速時には前後モーターの回生ブレーキをバランスよく効かせて車体の沈み込みを抑制する。雪道の発進でも、わずかなスリップを検知した瞬間に駆動力を分散させ、なめらかに加速できるよう調律されている。

アウトランダーPHEVのS-AWCも同じくツインモーター4WDとブレーキ制御を組み合わせるが、そのルーツはパジェロやモンテロで磨かれた本格四駆の技術と、ラリーで培った走りのDNAにある。前後モーターに加えて左右のブレーキ制御まで統合し、路面状況やドライバーの操作に応じて駆動力・制動力を4輪すべてで最適化する。同じ電動4WDという答えにたどり着きながら、そこに至る背景と味つけはまったく異なる。

エクストレイル ROCK CREEK 外観(キャニオンベージュ/スーパーブラック2トーン、ROCK CREEK専用色)
出典: 日産自動車株式会社

サイズ・デザイン・価格で見る住み分け

グレード構成にも、それぞれが描く顧客像が透けて見える。エクストレイルは、アウトドア志向の「ROCK CREEK」、スポーティな「NISMO」、上質さを追求する「AUTECH」「AUTECH SPORTS SPEC」という4本立てだ。乗車定員は基本5名で、一部グレードには7名乗りの設定もある。アウトランダーPHEVは「M」「G」「P」「P Executive Package」「BLACK Edition」の5グレードで、Mを除く全グレードに5人乗りと7人乗りを選べる余地を残している。

グレード価格(税込)駆動方式乗車定員
アウトランダーPHEV M536万9,100円〜4WD5名
アウトランダーPHEV G598万5,100円〜4WD5名/7名
アウトランダーPHEV P641万9,600円〜4WD5名/7名
アウトランダーPHEV P Executive Package670万100円〜4WD5名/7名
アウトランダーPHEV BLACK Edition681万100円〜4WD5名/7名

価格帯で見ると、エクストレイルは400万円台から600万円前後、アウトランダーPHEVは530万円台から680万円程度と、ひとまわり上のレンジに構えている。この差には、PHEV用の大容量バッテリーを積むアウトランダー側のコスト構造も影響している。全グレードが4WDを標準とするアウトランダーPHEVに対し、エクストレイルは2WDとe-4ORCE搭載車の両方を用意し、用途に応じて駆動方式ごと選べる幅を持たせている点も見逃せない違いだ。

デザインの方向性も対照的だ。エクストレイルのROCK CREEKは、防水シートやラバレッドのアクセントで武装したタフギア路線を打ち出し、キャニオンベージュとスーパーブラックのツートンという専用色まで用意する。対するアウトランダーは「威風堂々」という商品コンセプトを掲げ、パジェロ・モンテロ譲りの四輪制御技術を注ぎ込んだ堂々たるスタイリングで、高い走破性と存在感を両立させようとしている。同じホイールベースをもとに、まったく違う性格の車体が作り分けられている。

アウトランダーPHEV 外観(幾何学的な造形の展示空間で撮影されたフロント3/4アングル、ダイナミックシールドのフロントフェイス)
出典: 三菱自動車株式会社

プラットフォーム共有という選択

エクストレイルとアウトランダーPHEVの違いをたどっていくと、見えてくるのは優劣の話ではない。同じプラットフォームという投資を分け合うことで、両社は開発費を圧縮しながら、それぞれの得意分野に磨きをかける余力を手に入れている。日産は電動駆動ならではの滑らかな走りと世界共通のコアモデル戦略に、三菱はラリーで鍛えた四駆制御とPHEVという電動化の選択肢に、それぞれの資源を注ぎ込んできた。兄弟車という関係は、手を抜いた結果ではない。むしろ、限られた資源の中で互いの強みを引き出すための、合理的な選択の積み重ねだ。

日産はすでに次世代のエクストレイルをコンセプト段階で公開しており、e-POWERのさらなる進化を予告している。プラットフォーム共有という関係が次の世代でどう受け継がれるのかも、今後の見どころのひとつだ。

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ホイールベース2705mmという共通の数字から、日産と三菱、2つの答えが生まれている。

ルノー・日産・三菱アライアンスがプラットフォーム共用化の取り組みを本格化させた2020年時点で、共用化率はすでに60%に達していた。2026年までに掲げる目標は80%以上で、この数年で共用の対象はさらに広がっている。

エクストレイルとアウトランダーは兄弟車なのか

三菱自動車の公式発表によれば、両車は日産のキャシュカイ、ルノーのオーストラルとともに、ルノー・日産・三菱アライアンスが展開するC/Dセグメント共通プラットフォームを土台とする。ホイールベースは2705mmで共通しており、骨格を共有する関係にある。

e-POWERとPHEVは何が違うのか

e-POWERはエンジンが発電だけを担い、モーターのみで走るシリーズハイブリッドで、外部充電は不要だ。PHEVは外部から充電したバッテリーでモーター走行しつつ、必要に応じてエンジンも駆動に加わる方式で、日常の多くをEV感覚で走れる。

どちらの車体が大きいか

全長・全幅はアウトランダーPHEVがわずかに大きく、全長4720mm・全幅1860mmに対し、エクストレイルは全長4690mm・全幅1840mmだ。ただし車体骨格を決めるホイールベースは、両車とも2705mmで変わらない。

エクストレイルとアウトランダー、価格が安いのはどちらか

エントリー価格ではエクストレイルが安い。エクストレイルは400万円台から、アウトランダーPHEVは530万円台からとなっており、PHEV用の大容量バッテリーを積むコスト構造の違いが価格差に影響している。

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ROADECT編集部
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