レヴォーグとレヴォーグ レイバック 性格の違いを装備で読み解く
スバル・レヴォーグとレヴォーグ レイバックは、同じCB18エンジンを共有しながら最低地上高やグレード構成が異なる兄弟車だ。STI Sport系の電子制御ダンパーとレイバックのX-MODEという装備差から、両車の走りの方向性の違いを解説する。
スバルは「レヴォーグ」と「レヴォーグ レイバック」という、車名の異なる2台のステーションワゴンを同時に販売している。同じ土台を共有する兄弟車でありながら、装備表を読み解くと、両車が目指す走りの方向性はまったく違うことが見えてくる。最低地上高やグレード構成だけでなく、足回りの装備そのものに書き込まれた性格の違いを、公式のスペックと装備表から確かめていく。
レヴォーグとレヴォーグ レイバックは何が違うのか
レヴォーグと、レイバックのガソリングレードであるLimited EX・Black Selectionは、いずれもスバル・3BA-VN5という型式を共有し、1.8L DOHC直噴ターボ"DIT"型のCB18エンジンとCVTのリニアトロニックを土台に採用する兄弟車だ。レイバックにはこれとは別に、ハイブリッド専用の型式とエンジンを持つグレードも用意されている。車体寸法・グレード構成・足回りの装備まで比較すると、狙っている走りの方向性は大きく異なる。
レヴォーグは「その走りは、アクティブな気持ちを駆り立てる」というコピーが示す通り、コーナリング性能を磨き込んだスポーツワゴンだ。対するレイバックは「いいSUVは人の心を自由にする。自由という名の冒険を。」というコピーを掲げ、行き先を選ばない自由さを追求したクロスオーバーワゴンとして開発されている。この2つのコピーの違いこそが、以降で見ていく装備差の設計思想を言い当てている。
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外装デザインと最低地上高の違い
レイバックの外観で目を引くのは、黒を基調にまとめたアルミホイールと専用のリヤオーナメントだ。上位グレードのBlack SelectionとPremium Black S:HEV EXでは、ドアミラーまでブラック塗装で統一され、よりSUV的な佇まいが強まる。レヴォーグに対して全幅は25mm広く、全高も50〜70mm高いため、並べて見ると一回り力強いシルエットに見える。
寸法を一覧にすると次の通りだ。
| 項目 | レヴォーグ(全グレード共通) | レイバック Premium S:HEV EX系 | レイバック Limited EX / Black Selection |
|---|---|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,755×1,795×1,500mm | 4,735×1,820×1,550mm | 4,770×1,820×1,570mm |
| ホイールベース | 2,670mm | 2,675mm | 2,670mm |
| 最低地上高 | 145mm | 180mm | 200mm |
ここで見落とされがちなのが、レイバックという1台のモデルの中でも最低地上高が一律ではない点だ。e-BOXERハイブリッドを積むPremium S:HEV EXとPremium Black S:HEV EXは180mm、ガソリンのCB18エンジンを積むLimited EXとBlack Selectionは200mmで、20mmの差がある。「レイバックの最低地上高は200mm」と単純化して語られがちだが、実際にはパワートレインによって足元の高さそのものが変わる。
パワートレインとAWD方式の違い
レヴォーグは全6グレードとも、1.8L DOHC直噴ターボのCB18エンジン1本で統一されている。最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300N·m(30.6kgf·m)/1600-3600rpmを発生し、CVTのリニアトロニックと組み合わされる。
レイバックは、レヴォーグと同じCB18エンジンを積むLimited EXとBlack Selectionに加えて、2.5L直噴エンジンのFB25とモーターMC2を組み合わせたe-BOXERストロングハイブリッドを積むPremium S:HEV EXとPremium Black S:HEV EXを用意する。エンジン単体の最高出力は118kW(160PS)/5600rpm、モーターの最高出力は88kW(119.6PS)で、リチウムイオン電池を搭載する。兄弟車のうちハイブリッドを選べるのはレイバックだけであり、これは両車の分かりやすい違いの一つだ。
四輪駆動の方式にも差がある。レヴォーグと、レイバックのガソリングレードは常時全輪駆動のアクティブトルクスプリットAWDを採用する。一方でレイバックのハイブリッドグレードは、路面状況の安定した走行時に後輪への駆動力を一時的に切り離すクラッチ開放制御付きAWDを採用し、走行安定性より燃費を優先する場面をつくれる設計になっている。
走りを分けるのはダンパーとX-MODE
両車の性格の違いが最もはっきり表れるのは、装備表の中でも足回りの一項目だ。レヴォーグのSTI Sport EX、STI Sport EX Black Interior Selection、STI Sport R-Black Limitedの3グレードには、ドイツの部品大手ZF製の電子制御ダンパーと、Comfort・Normal・Sport・Sport+・Individualの5モードから選べるドライブモードセレクトが標準装備される。コーナーでの姿勢づくりを追求した装備だ。
レイバックの装備表に、この電子制御ダンパーとドライブモードセレクトの記載はない。代わりに全グレード標準で備えるのが、2モードのX-MODEとヒルディセントコントロールだ。未舗装路や下り坂での走破性を支える機能で、レヴォーグの装備表には見当たらない。
つまりレヴォーグは電子制御ダンパーとドライブモードセレクトで曲がる・止まる性能を磨き、レイバックはX-MODEとヒルディセントコントロールで行き先を選ばない自由度を磨いている。車高や外装の色使いだけでなく、足回りの装備そのものに開発陣の狙いが表れているといえる。
両車ともアイサイト コアテクノロジーは全グレード標準装備で、プリクラッシュブレーキやツーリングアシストなどの基本的な運転支援機能に差はない。上位のアイサイトセイフティプラスやアイサイトXテクノロジーの標準装備・オプション設定はグレードによって異なるため、購入を検討する際は最新の装備表で確認したい。
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グレード構成と価格帯を比較する
レヴォーグは6グレード展開で、価格帯は363万円から468.6万円まで幅広い。Smart Edition EX、V-SPORT、GT-H EXが実用グレード、STI Sport EX、STI Sport EX Black Interior Selection、STI Sport R-Black Limitedがスポーツグレードという構成だ。
レイバックはガソリンのCB18エンジンを積むLimited EXが405.9万円、Black Selectionが424.6万円の2グレード、e-BOXERハイブリッドを積むPremium S:HEV EXが452.1万円、Premium Black S:HEV EXが424.6万円の2グレードで、計4グレード展開だ。ナッパレザーを備える最上級のPremium S:HEV EXが最も高額で、Premium Black S:HEV EXはガソリンのBlack Selectionと同額に設定されている。
レヴォーグの上位グレードであるSTI Sport R-Black Limited(468.6万円)と、レイバックの上位グレードであるPremium S:HEV EX(452.1万円)を比べても、価格差は16.5万円にとどまる。走りに振ったグレードほど値が張る傾向は、両車に共通している。
シート素材にも両車の作り分けが表れている。レイバックのLimited EXはトリコット・ファブリックが基本で、Black SelectionとPremium Black S:HEV EXは本革のシルバーステッチ仕様、最上級のPremium S:HEV EXはタン基調のナッパレザーにカッパーステッチを組み合わせる。レヴォーグもSmart Edition EXのファブリックから、STI Sport R-Black Limitedのウルトラスエードまで、グレードごとに素材が段階的に上質になっていく構成だ。
どちらを選ぶべきか、性格から考える
コーナーを楽しむドライビングを求めるなら、電子制御ダンパーとドライブモードセレクトを持つレヴォーグ、それもSTI Sport系グレードが選択肢の中心になるだろう。日常の足として使いながら、キャンプ場や雪道など路面を選ばない行き先まで視野に入れるなら、X-MODEとヒルディセントコントロールを備えたレイバックの方が心強いはずだ。
同じ土台を共有する2台だからこそ、乗り比べれば違いは体感しやすい。レヴォーグとレイバックは競合車というより、1つのプラットフォームから生まれた性格の異なる兄弟であり、どちらを選んでも走る楽しさという土台は共通している。
レヴォーグのSTI Sport系グレードが積む電子制御ダンパーは、ドイツの大手サプライヤーZF製だ。量販価格帯のステーションワゴンでダンパーのブランドまで明記して作り分けるのは、決して多くない作り込みといえる。
レヴォーグとレヴォーグ レイバックの違いは何か
最も大きな違いは足回りの装備だ。レヴォーグのSTI Sport系グレードは電子制御ダンパーとドライブモードセレクトでスポーティな走りを追求し、レイバックは全グレード標準のX-MODEとヒルディセントコントロールで悪路走破性を高めている。外装ではレイバックの方が最低地上高が高く、SUV的な佇まいを持つ。
レヴォーグ レイバックの最低地上高は何mmか
レイバックの最低地上高は、e-BOXERハイブリッドを積むPremium S:HEV EXとPremium Black S:HEV EXが180mm、ガソリンのLimited EXとBlack Selectionが200mmだ。同じレイバックでもグレードによって20mmの差がある。
レヴォーグ レイバックにハイブリッドグレードはあるか
ある。2.5L直噴エンジンとモーターを組み合わせたe-BOXERストロングハイブリッドを積むPremium S:HEV EXとPremium Black S:HEV EXの2グレードが用意されている。レヴォーグには2026年6月時点でハイブリッドグレードの設定がない。



