パナソニック カーナビ生産終了 歴代ストラーダ23年の軌跡を辿る
パナソニック オートモーティブシステムズは2026年9月25日、市販カーナビ「Strada(ストラーダ)」シリーズの生産を2027年3月までに順次終了すると発表した。2003年の誕生から23年、累計550万台を送り出してきたブランドの技術史と、市販カーナビというジャンルが直面してきた変化を振り返る。
パナソニックが市販カーナビの生産終了を発表
パナソニック オートモーティブシステムズは2026年9月25日、市販カーナビゲーションおよび専用オプション品の生産を2027年3月までに順次終了すると発表した。市場環境の変化や利用スタイルの多様化を踏まえた決定だという。
対象となるのは、カーナビステーション「Strada(ストラーダ)」の「CN-F1X10C1D」「CN-F1D9C1D」「CN-CA01D」「CN-CA01WD」「CN-CE01D」「CN-CE01WD」の各シリーズに加え、ドライブレコーダー、リヤビューカメラ2機種、ETC2.0車載器3機種、専用ケーブル4種だ。現在販売中の製品は在庫がなくなり次第終了し、終了時期は取扱店ごとに異なる。
すでに購入した製品は引き続き使用でき、修理や地図更新といったアフターサービスも一定期間継続される。ポータブルナビ「Gorilla」はすでに生産を終えており、地図データの更新提供も2026年度版「JAPAN MAP 26」が最後になる。
長年親しまれてきたブランドの生産終了は、一企業の製品整理にとどまらない。市販カーナビという製品ジャンルそのものが、時代の転換点を迎えていることを示す出来事でもある。
ストラーダとは何か、23年の歴史をたどる
ストラーダは、イタリア語で「道」を意味する名前を冠したパナソニックのカーナビブランドだ。「人」と「クルマ」と「道」を結ぶという意味が込められている。2003年に初代モデル「CN-DV250D」で誕生して以来、2026年の生産終了発表まで23年にわたって展開されてきた。
2003年〜2000年代後半 HDDと地デジの黎明期
初代CN-DV250Dの翌年には、HDDを内蔵した上位モデル「Fクラス」が加わった。2006年には業界に先駆けて地上デジタル放送のフルセグチューナーを標準搭載し、2008年には車載用ブルーレイディスクプレーヤーとハイビジョン対応のワイドXGAディスプレイを組み合わせたモデルを投入している。2007年には累計販売台数が100万台に達した。
2010年代 スマートフォン連携とフローティング大画面
2010年に累計200万台を突破すると、2011年にはスマートフォンとの連携機能を備えたモデルが登場し、カーナビが単体の機器から周辺デバイスと連携する製品へと役割を広げていった。2013年には準天頂衛星「みちびき」に対応したモデルを業界に先駆けて投入し、測位精度を高めている。2016年にはフローティング構造を採用した大画面モデル「Fシリーズ」を投入し、2017年には累計販売台数が300万台に達した。
2020年代 有機ELと「つながる新機能」
2020年には市販カーナビとして業界初となる有機ELディスプレイを採用したモデルを投入し、画質面での差別化を進めた。2023年には誕生20周年を迎え、累計販売台数は550万台を突破している。生産終了の対象にも含まれる2024年モデルの「CN-F1X10C1D」「CN-F1D9C1D」は、通信を介した「つながる新機能」を搭載した最終世代のフラッグシップとして投入されたモデルだ。
市販カーナビはなぜ縮小したのか
市販カーナビを取り巻く市場環境は、2020年代に入って大きく変わった。国内の出荷台数は2020年の520万台から、2021年476万台、2022年440万台、2023年392万台へと減少を続けている。
背景にあるのは、スマートフォンの地図アプリの普及だ。GoogleマップやYahoo!カーナビといった無料アプリが十分な精度でルート案内をこなせるようになったことで、単体のカーナビ機器を新たに買い足す動機は薄れていった。加えて、近年の新車では車両のシステムそのものにGoogleのOSを組み込む「Google Built-in」のような仕組みが広がりつつあり、購入時点でスマートフォンなしのナビゲーション環境が用意される流れも強まっている。
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カーナビメーカー各社も、単体機器の販売から軸足を移し始めている。パイオニアはカーナビアプリ「COCCHi」の後継として、Google built-in対応車載機に直接インストールできる「COCCHi for Automotive」の提供を2026年6月に始めた。市販ナビという製品カテゴリーから、車両側のプラットフォームに寄り添ったサービスへと、各社の重心は移りつつある。
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パナソニック自身も、ポータブルナビ「Gorilla」をすでに生産終了しており、今回のストラーダの決定は、同社のカーナビ事業全体が市販市場からサービス・OEM領域へと重心を移す流れの一部だと考えられる。
既存ユーザーのサポートはどうなるのか
生産終了後も、すでにストラーダを購入したユーザーがすぐに困ることはない。修理や地図更新といったアフターサービスは一定期間継続して提供される。ただし地図データについては、2026年度版の更新ソフト「JAPAN MAP 26」が最後のバージョンアップになる。それ以降は、最後に更新された地図のまま使い続けることになる。
23年間の積み重ねが指し示すもの
HDDから地デジ、ブルーレイ、スマートフォン連携、有機ELへと、ストラーダは23年間、その時々の映像・通信技術を貪欲に取り込みながら進化を重ねてきた。「業界初」を冠したモデルの多さは、パナソニックがカーナビのAV機能で常にライバルの一歩先を行こうとしてきた証でもある。
初代の翌年に生まれた上位モデル「Fクラス」から、2016年のフローティング大画面「Fシリーズ」、そして生産終了の対象となる2024年モデルの「CN-F1X10C1D」「CN-F1D9C1D」まで、上位モデルの型番には一貫して「F」の文字が刻まれてきた。始まりから終わりまでその名を保ち続けたことは、23年という時間の長さを静かに物語っていると見ることもできる。
市販カーナビというジャンルが役割を終えつつあるのは、技術力が衰えたからではない。クルマのシステムそのものがスマートフォンやクラウドと直結する時代になり、後付けの機器が担ってきた役割を、車両本体が引き受けるようになったからだ。助手席の足元や中央パネルに収まっていた小さな機械が23年かけて積み上げてきた技術は、形を変えながらこれからのクルマにも息づいていく。
ストラーダという名前は、イタリア語で「道」を意味する。「人」と「クルマ」と「道」を結ぶという思いが込められた名称で、2003年の初代モデルから2027年3月に生産を終えるまで、一度も変更されることなく使われ続けてきた。
パナソニックの市販カーナビはなぜ生産終了するのか
パナソニック オートモーティブシステムズは、市場環境の変化やお客様の利用スタイルの多様化を理由に挙げている。スマートフォンの地図アプリの普及や、車両側にナビ機能を組み込む仕組みの広がりが背景にある。
ストラーダはいつから販売されているカーナビか
2003年に初代モデル「CN-DV250D」で誕生した。2026年9月の生産終了発表まで23年間にわたり展開され、累計販売台数は2023年時点で550万台を突破している。
すでにストラーダを使っている場合、生産終了後はどうなるのか
生産終了後も、修理や地図更新といったアフターサービスは一定期間継続して提供される。ただし地図データの更新は、2026年度版の「JAPAN MAP 26」が最後のバージョンとなる。
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- 執筆
- ROADECT編集部
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