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スバル トレイルシーカー発表 BEVミッドサイズSUVの全スペックと注目点
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スバル トレイルシーカー発表 BEVミッドサイズSUVの全スペックと注目点

スバルは2026年4月9日、グローバルBEVラインアップ第2弾となるミッドサイズSUV「トレイルシーカー」を発表した。前輪駆動モデルでWLTCモード734km、四輪駆動モデルでシステム最大出力280kWを実現。価格は539万円からの3グレード展開で、同日より受注を開始した。

スバルは2026年4月9日、BEVのミッドサイズSUV「トレイルシーカー」を発表した。SUBARUグローバルBEVラインアップの第2弾として群馬製作所矢島工場で生産されるこのモデルは、前輪駆動モデルでWLTCモード734kmの航続距離を持ち、四輪駆動モデルではシステム最大出力280kW、0-100km/h加速4.5秒の走行性能を備える。価格は539万円から。

スバル トレイルシーカー エクステリア
出典: 株式会社SUBARU

スバル トレイルシーカーとはどんなクルマか

全長4,845mm、全幅1,860mm、全高1,675mm。ホイールベースは2,850mmで、最低地上高は210mmを確保する。スバルのBEVラインアップ第1弾「ソルテラ」が全長4,690mmのコンパクトSUVであるのに対し、トレイルシーカーは155mm長いミッドサイズクラスに位置する。

バッテリーは74.7kWhのリチウムイオンを搭載する。前輪駆動モデルのWLTC航続距離は734km。四輪駆動モデルは18インチタイヤ装着時で690kmとなる。車両重量は1,900〜2,050kgで、グレードとオプションによって変わる。

デザインは「BEVらしい先進性と、アウトドアにおける機能性や日常での使い勝手の良さを兼ね備えたアクティブでラギッドなデザイン」とスバルは説明する。フロントには発光式の「六連星」オーナメントを採用。リヤゲートガーニッシュにはエンブレムではなく「SUBARU」の文字を配した。インパネは横基調のすっきりしたレイアウトで、14インチの大型ディスプレイを中央に配置している。

スバル トレイルシーカー エクステリア ギャラリー
出典: 株式会社SUBARU

充電性能とアウトドア実用装備

急速充電は、-10℃の低温環境においても150kW出力の充電器を使用した場合、バッテリー残量10%から80%まで約28分で完了する。これを支えるのがバッテリープレコンディショニング機能だ。充電前にバッテリーを適切な温度域に保つことで、冬の朝でも充電時間が大幅に延びない設計になっている。

荷室容量はET-SSグレードで633L(可変フロアボード下段時)、ET-HSグレードで619Lを確保する。大型のラダータイプルーフレールを標準装備し、AC100V/1,500Wの外部電源コンセントも全グレードに装備する。キャンプ地での家電使用や非常時の電力供給に対応できるこの装備は、アウトドア用途のBEV SUVとして実用的な差別化点になっている。

スバル トレイルシーカー インテリア
出典: 株式会社SUBARU

四輪駆動モデルの走行性能

四輪駆動モデルは前後それぞれに167kW(227PS)のモーターを搭載する。前後の最大トルクはそれぞれ268Nm。2基のモーターが協調することでシステム最大出力は280kWに達し、0-100km/h加速は社内測定値で4.5秒だ。

前輪駆動モデルのシステム出力は単独の167kW(227PS)で、航続距離は四輪駆動より長い734kmとなる。アウトドアや雪道走行を重視するなら四輪駆動、日常の街乗り・通勤を中心に使うなら前輪駆動という選択の軸は明確だ。

スバルは発表資料のなかで四輪駆動制御について「常時全輪駆動」と説明する。前後独立モーターが駆動力をリアルタイムに配分するこの制御は、四輪駆動を長年の基幹技術として磨いてきたスバルが、電動化の舞台で改めて問い直した答えのひとつだ。

スバル トレイルシーカー 走行シーン
出典: 株式会社SUBARU

開発コンセプトとBEVラインアップ戦略

開発責任者の井上正彦氏は「日常でも非日常でも使えるSUBARUらしいBEV」というコンセプトを掲げた。BEVの静粛性と加速感を日常使いで楽しみながら、積載性と四輪駆動によるアウトドア対応力を兼ね備える設計思想だ。

注目すべきは、欧州での販売名が「E-OUTBACK」であることだ。スバルの代名詞的ワゴン「レガシィ アウトバック」の名を冠することで、積載性と四輪駆動を重視するSUBARUらしいオールロードSUVとしての位置づけを欧州市場に向けて明示している。

スバルのグローバルBEVラインアップは、第1弾ソルテラ、第2弾トレイルシーカーに続き、第3弾「アンチャーテッド」、さらに第4弾の開発も進んでいる。トヨタとのアライアンスによる技術共有を基盤に、複数モデルを段階的に投入する戦略だ。月販目標の250台という数字は、市場への大量投入より、BEVラインアップの充実を優先する方針を示している。

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スペック・価格まとめ

グレード駆動方式航続距離(WLTC)システム最大出力価格(税込)
ET-SS前輪駆動734km167kW(227PS)539万円
ET-SS四輪駆動690km(18インチ)280kW594万円
ET-HS四輪駆動690km(18インチ)/627km(20インチ)280kW638万円

バッテリー容量は74.7kWh(リチウムイオン)。急速充電は-10℃の低温環境で約28分(10→80%)。交流電力量消費率はWLTCモードで114〜134Wh/km。標準タイヤは235/60R18で、ET-HSには235/50R20も選択できる。

同クラスの国産BEV SUVである現行の日産アリアは最安グレードで667.5万円台から。トレイルシーカーのET-SS前輪駆動(539万円)とは約130万円の価格差がある。BEVの購入層を広げる意図が価格設定に読み取れる。

トレイルシーカーの欧州販売名「E-OUTBACK」が引き継ぐレガシィ アウトバックは、1990年代にスバルが生み出したクロスオーバーワゴンだ。車高を上げた四輪駆動ワゴンというアイデアは当時ほかのメーカーにほとんど例がなく、特にアメリカ市場での普及がSUBARUをグローバルブランドとして押し上げる原動力のひとつとなった。BEVで「E-OUTBACK」を名乗るトレイルシーカーが引き継ぐのは、スペックだけでなくその文化的な立ち位置でもある。

スバル トレイルシーカーの航続距離はどのくらいか

WLTCモードで前輪駆動モデルが734km、四輪駆動モデルが690km(18インチタイヤ装着時)だ。ET-HSグレードに20インチタイヤを選んだ場合は627kmとなる。急速充電は-10℃の低温環境でも10%から80%まで約28分で完了する。

スバル トレイルシーカーとソルテラの違いは何か

最大の違いは車格だ。ソルテラの全長が4,690mmであるのに対して、トレイルシーカーは4,845mmと大柄なミッドサイズクラスに位置する。四輪駆動モデルのシステム出力もソルテラ改良型の252kWを上回る280kWに達する。バッテリー容量は両モデルとも74.7kWhで共通だ。

スバル トレイルシーカーはいつから買えるか

2026年4月9日に発表・受注開始。生産は群馬製作所矢島工場で行われ、月販目標は250台だ。