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シビック e:HEV RS発売 価格・燃費・Honda S+ Shift全解説
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シビック e:HEV RS発売 価格・燃費・Honda S+ Shift全解説

シビックRSに、2ペダルで乗れる選択肢が加わった。「Honda S+ Shift」を搭載するe:HEV RSは、仮想有段変速制御によってモーター駆動でもシフトフィールを作り出す。リアアームにタイプR用部品を採用した専用シャシー、ガソリンRS(6速MT)との比較から新グレードの意図を読み解く。

シビックのラインアップに、2ペダルのRSが登場した。2026年6月5日発売の「シビック e:HEV RS」は、2.0Lハイブリッドシステムに「Honda S+ Shift」を搭載する。モーター駆動でありながら、有段変速機のようなシフトフィールを生み出す制御技術だ。価格は465.96万円で、6速MTのガソリンRS(448.8万円)より約17万円高い。その差額が何を示しているかは、このグレードが目指すものを見ていくと、おのずとわかってくる。

シビック e:HEV RS 走行イメージ(リア)
出典: 本田技研工業

シビック e:HEV RSとは何か

現行シビックのラインアップは、今回の追加で5グレード構成になった。1.5Lターボの「EX」と「RS」、2.0L e:HEVの「LX」「EX」に、e:HEV RSが加わる形だ。

e:HEVラインにはこれまでスポーツグレードが存在しなかった。ハイブリッドシステム由来の静粛性と燃費は際立っていたが、走りへの欲求に応えるグレードはガソリン側のRSに委ねられていた。e:HEV RSは、その空白を埋めるために作られたグレードだ。

専用装備は外装と内装にとどまらず、シャシーにまで及んでいる。RS専用スポーツサスペンション、大径フロントディスクローター、そしてリアアームにはシビック タイプRの部品が採用された。走行性能に直接働きかける装備であり、外観の差別化だけではない。

外装はグロスブラックで統一されたRS専用の意匠を持つ。ヘッドライトリング、バンパー加飾、アンテナがブラック仕上げになり、18インチのマットベルリナブラックアルミホイールが組み合わされる。内装はDシェイプのステアリングホイールとメタル製パドルシフト、赤ステッチのコンビシートで仕立てられており、乗り込んだときからスポーツグレードとしての意図が伝わる構成になっている。

シビック e:HEV RS 内装・コックピット
出典: 本田技研工業

Honda S+ Shiftが生み出す走り味

e:HEV RSの核となるのが「Honda S+ Shift」だ。e:HEVハイブリッドシステムの上に「仮想の有段変速機」を構築する制御技術で、モーター駆動でありながら多段変速機のようなシフトフィールを作り出す。

仕組みをひとつずつ見ると、こうなっている。アクセルとブレーキの入力量、車速、前後と横のG、路面勾配をリアルタイムで読み取り、最適な「仮想ギア」を決める。アップシフト時は、ジェネレーターモーターの回生を一瞬増やしてエンジン回転を素早く落とし、同時にドライブモーターの出力をわずかに絞ることで、変速の間合いを演出する。ダウンシフト時は、シフトダウンに合わせてエンジン回転を引き上げる制御を加え、直感的な減速Gを引き出す。

コーナリング中は「コーナリングホールド制御」が働く。旋回中の仮想ギアを保つことで、立ち上がりでの駆動力変動を抑え、リニアな加速レスポンスを維持する設計だ。高Gのコーナーでも電動らしいいきなりの加速感が出ないよう、システムが補正する。

エンジン音の演出にも手が加わっている。シビック専用チューニングのアクティブサウンドコントロールが、回転域に応じて音質の重みを変える。低回転では排気音に近い2次高調波を強調し、高回転域では複数の高調波成分を重ねることで聴覚的な迫力を加える。これらの機能はSPORTモード選択時に有効になる。

Honda S+ Shiftは2025年に発売された新型プレリュードに初めて採用された技術で、プレリュードでは8速仮想変速と専用デジタルタコメーターを備えた本格仕様として実装されている。シビックへの展開ではSPORTモード限定の仕様に絞られており、既存のデジタルメータークラスターを流用している。プレリュードとシビックという2モデルへの展開から、ホンダのe:HEVにスポーティなポジションを与える戦略の輪郭が見えてくる。

出典: Honda SPORTS DRIVE WEB

車両重量は1,470kg。e:HEV EX(1,490kg)より20kg軽い。タイヤはZレーティング(235/40ZR18 95Y)を採用しており、e:HEV LX・EXが装着するRレーティング(235/40R18 95Y)とは異なる。高速域の安定性を重視した選択だ。

ガソリンRSとe:HEV RSの選び方

2種類のRSを並べると、価格差は約17万円だ。ガソリンRS(448.8万円・6速MT)が安い側になる。

この差は動力源だけの問題ではない。ガソリンRSは、クラッチとシフトレバーを介してエンジンと向き合う体験を軸に設計されている。e:HEV RSは、モーターの滑らかなトルクにシフトフィールという味付けを重ねた体験だ。どちらが優れているかという問いに答えはなく、何を求めるかによって選択が変わる。

ランニングコストを比較すると、e:HEV RSに利がある。e:HEVはレギュラーガソリンで走り、WLTCモード総合燃費は24.0km/L。ガソリンRSはプレミアムガソリン指定で同15.3km/L。ガソリンRSのタンク容量は47Lで、e:HEV RSの40Lより大きい。年間走行距離が多いユーザーほど、燃料費の差は実感しやすくなる。

試乗会でホンダが公表した数字では、e:HEV RSがシビック全販売台数の55%を占めると見込んでいる。6速MTのガソリンRSという明快な選択肢が存在するにもかかわらず、e:HEV RSを主力グレードと位置づけたことには、2ペダルのスポーツハイブリッドへの手応えが読み取れる。

シビック e:HEV RS メタル製パドルシフト
出典: 本田技研工業

スペック・価格一覧

グレードエンジン変速機WLTC総合燃費車両重量価格(税込)
EX1.5LターボCVT15.7km/L1,370kg394.68万円
e:HEV LX2.0L e:HEV電気式CVT24.2km/L1,460kg413.27万円
e:HEV EX2.0L e:HEV電気式CVT24.2km/L1,490kg444.84万円
RS1.5Lターボ6速MT15.3km/L1,350kg448.80万円
e:HEV RS2.0L e:HEV電気式CVT24.0km/L1,470kg465.96万円

e:HEV 共通スペック エンジン: 104kW(141PS)/ 6,000rpm、182Nm(18.6kgfm)/ 4,500rpm モーター: 135kW(184PS)/ 5,000-6,000rpm、315Nm(32.1kgfm)/ 0-2,000rpm 使用燃料: 無鉛レギュラーガソリン / 燃料タンク容量: 40L

Honda S+ Shiftはプレリュードとシビック e:HEV RSに搭載されているが、仮想ギア数の設定はモデルごとに異なる。プレリュードは8速仮想変速を採用し、専用のデジタルタコメーターをダッシュボードに設けてS+ Shift動作中は常時表示する。シビックではSPORTモード時のみ機能し、既存のデジタルメータークラスターを流用する仕様だ。仮想ギア数はシビック専用にチューニングされているとホンダは説明しており、同じ技術でもクルマの性格に合わせた調整が加えられている。

シビック e:HEV RSとガソリンRSの違いは何ですか?

最大の違いはパワートレインと走り味だ。ガソリンRS(448.8万円)は1.5Lターボ+6速MTで、クラッチ操作によるエンジンとの対話が体験の核心にある。e:HEV RS(465.96万円)は2.0L e:HEV+Honda S+ Shiftで、モーター駆動でも有段変速のようなシフトフィールを実現する。WLTC総合燃費はe:HEVが24.0km/L(レギュラーガソリン)、ガソリンRSが15.3km/L(プレミアムガソリン)と大きく異なる。

Honda S+ Shiftとはどのような技術ですか?

e:HEVシステム上に「仮想の有段変速機」を構築する制御技術だ。アクセル入力・車速・横Gをリアルタイムで読み取り、アップシフト時はエンジン回転変化でシフトの間合いを演出し、シフトダウン時にはエンジン回転を引き上げて変速に合わせ込む制御で減速Gを引き出す。SPORTモード時に機能し、メタル製パドルシフトで仮想ギアを手動選択できる。