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アウディA5 2026年アップデート 価格・装備・物理スイッチ復活の全容
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アウディA5 2026年アップデート 価格・装備・物理スイッチ復活の全容

2026年4月21日にアウディジャパンが発表したB10型A5シリーズのアップデート内容を整理する。マルチファンクションステアリングの物理スイッチ復活、Adaptive Cruise Assist Plusの全車標準化、テクノロジーパッケージプロの強化が三本柱だ。8グレードの価格改定と併せて、発売から約1年2か月で迎えた「熟成の微修正」の全容を解説する。

2026年4月21日、アウディジャパンが現行Audi A5シリーズのアップデートを発表した。B10型として日本に上陸してから約1年2か月。フルモデルチェンジではないが、変更の中身は見逃せない。今回の変更の中心となるのは、ユーザーインターフェースの見直し、先進運転支援システムの標準装備化、そしてマルチファンクションステアリングの物理スイッチへの部分回帰の3点だ。

Audi A5 Avant 2026年モデル 外観フロント 3/4ビュー(白ボディ、サンセット背景)
出典: アウディ・ジャパン

アウディA5が2026年アップデート 2026年4月21日発売

今回のアップデートは、Audi A5、A5 Avant、S5、S5 Avantの4ボディタイプ、合計8グレードを対象としている。TFSI 110kW、TFSI quattro 150kW、TDI quattro 150kW、S5の4種類というパワートレイン構成は従来どおり維持され、装備内容と価格が改定された。

販売は2026年4月21日より、全国のアウディ正規ディーラー126店舗を通じて開始されている。

このアップデートの中身は、2025年12月12日にアウディがグローバルで発表した「5モデルシリーズのアップデート」に端を発する。対象となったのはA5、Q5、A6、A6 e-tron、Q6 e-tronの5シリーズで、A5の日本投入は今回のタイミングにあたる。PPEプラットフォームを採用するQ6 e-tronとA6 e-tronへの展開は、2026年夏以降に予定されている。

Audi A5 Avant 2026年モデル 外観リヤ 3/4ビュー(白ボディ、サンセット背景、LEDリヤランプ)
出典: アウディ・ジャパン

UIとスイッチ配置の見直し ステアリングが物理操作へ戻る

今回のアップデートで最も象徴的な変更は、マルチファンクションステアリングのスイッチパッドにある。

B10型A5の欧州デビュー当初、ステアリングの操作はスマートフォンのような静電容量式タッチスライダーに委ねられていた。見た目はクリーンだが、視線を奪い、誤操作を招き、指紋を残す。オーナーたちの不満の多くは、この3点に集中していた。

アウディは2025年11月、物理ローラーコントローラーへ戻す方針を正式に公表している。広報担当者はその理由について「顧客から物理的なボタンやスイッチによる操作への要望が増えたため」と説明した。今回の日本市場向けアップデートでも、従来のタッチ式インターフェースの一部が物理スイッチに置き換えられている。

UIのアイコン全般も整理され、構造が明確になったとアウディは説明する。バーチャルコックピットプラスには、クラシックな丸形メーター、ドライバーアシストディスプレイ、ナビゲーションビューの3つの表示モードが用意され、ドライバーが自分の使い方に合わせて選べる。

プレミアムブランドが一度振り切った「全面タッチ化」の振り子は、触感のある物理操作へ戻り始めている。マツダコネクトも世代を重ねる中で、走行中のタッチ操作を絞ってきた経緯がある。各社の答えは違っても、設計判断の重心は「触ってわかる」側へ寄り始めている。

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Audi A5 インテリア MMIパノラマディスプレイ(14.5インチタッチディスプレイとバーチャルコックピットプラス)とステアリングホイール
出典: アウディ・ジャパン

Adaptive Cruise Assist Plusが全A5グレードで標準装備に

2026年モデルで特筆すべき変化は、Adaptive Cruise Assist Plusの全グレード標準化だ。従来はオプションまたは上位グレード限定だった機能が、エントリーグレードまで降りてきたことになる。

動作はこうだ。ドライバーがステアリングに手を添えている状態で、車両側が車線中央の維持、先行車との車間距離の保持、速度維持と加減速制御を自動で行う。高速道路ではさらに、車線変更アシストも働く。ターンシグナルを操作すると、車両が周囲の交通状況を確認した上で、希望車線へのステアリング支援を実行する。

Adaptive Cruise Assist Plus 車線変更アシスト動作イメージ(高速道路上の前走車との車間維持・車線変更支援)
出典: アウディ・ジャパン

テクノロジーパッケージプロの強化

オプションの「テクノロジーパッケージプロ」にも、今回のアップデートで新たな機能が加わった。追加された項目は、フロントとリヤのエマージェンシーブレーキアシスト、最長200mの駐車経路を記憶するパークアシストプロ、3Dサラウンドビューカメラ、リヤオキュパントディテクションだ。

パークアシストプロは、過去の駐車動作を記憶して同じ場所で自動的に再現する機能となる。最長200mまでの経路を記憶でき、自宅のアプローチやオフィス駐車場など、同じ道筋を繰り返し走る場面で効果を発揮する。

リヤオキュパントディテクションは、天井内張りに内蔵されたレーダーセンサーで後席の乗員を検知する仕組みだ。ドライバーが降りたあとの車内に子どもやペットが残っていないかを検知し、置き去りを警告する。

Audi A5セダン 2026年モデル パークアシストプロ動作イメージ(駐車場での俯瞰ビュー)
出典: アウディ・ジャパン

グレード別の価格とパワートレイン

グレード別の価格は以下のとおりとなる。

グレード価格(税込)エンジン駆動方式
A5 TFSI 110kW exclusive edition6,170,000円2.0L 直4ガソリン 150PS/280NmFWD
A5 TFSI quattro 150kW7,000,000円2.0L 直4ガソリン 204PS/340Nmquattro
A5 TDI quattro 150kW7,350,000円2.0L 直4ディーゼル 204PS/400Nmquattro
S510,650,000円3.0L V型6気筒ガソリン 367PS/550Nmquattro
A5 Avant TFSI 110kW6,420,000円2.0L 直4ガソリン 150PS/280NmFWD
A5 Avant TFSI quattro 150kW7,250,000円2.0L 直4ガソリン 204PS/340Nmquattro
A5 Avant TDI quattro 150kW7,600,000円2.0L 直4ディーゼル 204PS/400Nmquattro
S5 Avant10,900,000円3.0L V型6気筒ガソリン 367PS/550Nmquattro

全車、7速Sトロニックを組み合わせる。2025年2月の発売時と比較すると、TFSIとTDIモデルは18万〜19万円、S5は30万円の価格上昇となっている。Adaptive Cruise Assist Plusの標準化とテクノロジーパッケージプロの内容強化を踏まえれば、実質的な値上げ幅は抑えめに収まっている。

TDI quattro 150kWとS5には、48ボルトのマイルドハイブリッドシステム「MHEV plus」が搭載される。ベルト駆動式のスタータージェネレーターと、トランスミッション出力軸の発電機を組み合わせた構成で、部分的な電動走行と最大25kWの回生制動に対応する。CO2削減効果は、2.0L TDIで最大10 g/km、3.0L V型6気筒TFSIで最大17 g/kmが公表されている。

ベースグレードのA5 TFSI 110kWは、2026年モデルからセダンのみ「exclusive edition」の名称に変更された。A5 Avant側は従来どおりの命名を維持している。

Audi A5 Avant 2026年モデル リヤディテール(Audiリングエンブレム・A5バッジ・LEDリヤランプのクローズアップ)
出典: アウディ・ジャパン

B10型A5が迎えた「熟成の微修正」

B10型A5は、B9型までのA4セダン、A4アヴァント、A5クーペ、A5スポーツバックという枝分かれしたラインナップを、A5セダンとA5アヴァントの2車種へ整理した世代にあたる。A5クーペとA5カブリオレはB10で廃止された。

2024年末の欧州投入から約1年半。デビュー時点で話題を集めた大型MMIパノラマディスプレイとタッチ操作の先進性は、実使用のフィードバックを受けて、物理スイッチと標準ADASという「熟成の軸」へ戻ってきた。

大きな飛躍ではなく、丁寧な微修正。このタイミングで現行A5を検討する人にとっては、装備の完成度が一段階上がった状態で選べることになる。

B10型A5は、見た目はセダンでありながらリヤハッチ付きの「リフトバック」構造を採用している。先代A4セダンが伝統的な3ボックスのトランク別体だったのに対し、新A5はリヤウィンドウと一体のテールゲート式に切り替わった。B9型までのA5スポーツバックの流儀を受け継ぎ、B10世代からはこれがセダンの標準形となっている。長いものを積むときには、ほぼ2ボックスに近い積載性を発揮する。

新型アウディA5は2026年のアップデートで何が変わったのか

今回のアップデートで変わったのは、ユーザーインターフェースの刷新、Adaptive Cruise Assist Plusの標準装備化、テクノロジーパッケージプロの内容強化の3点だ。なかでも象徴的なのがマルチファンクションステアリングの変化で、静電容量式のタッチスライダーから物理スイッチへ部分的に戻った。価格はTFSIとTDIで18万〜19万円、S5で30万円の上昇となっている。

「exclusive edition」は従来のA5と何が違うのか

A5 TFSI 110kW(FWD)のセダンのみ、2026年アップデートから「exclusive edition」の名称が与えられた。価格は6,170,000円となり、従来のA5 TFSI 110kWの5,990,000円から180,000円上昇している。A5 Avantのベースグレードは従来どおりの命名を維持する。

Adaptive Cruise Assist Plusはどのように動作するのか

ドライバーがステアリングに手を添えた状態で、車線中央の維持、先行車との車間距離の保持、速度維持と加減速制御を自動で行うシステムだ。高速道路ではターンシグナルの操作後、周囲の交通状況を車両が判断して希望車線への車線変更アシストを実行する。2026年モデルからは全A5グレードで標準装備となった。