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FIAとは何か F1やWRCを統括する国際自動車連盟
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FIAとは何か F1やWRCを統括する国際自動車連盟

F1やWRCの中継で必ず耳にする「FIA」は、1904年発足の国際自動車連盟だ。レギュレーション策定や安全基準づくりを担う一方、F1の商業運営はFOM(リバティメディア)という別の組織が担っている。この2つの違いと、日本のJAF・ライセンス制度とのつながりを整理する。

F1中継のペナルティ発表や、WRCの規則変更のニュースなど、モータースポーツを追いかけていると必ずといっていいほど登場するのが「FIA」という言葉だ。しかし、それが具体的に何を決め、誰が動かしている組織なのかを説明できる観戦者は意外と少ない。FIAの成り立ちから、F1の商業運営を担う別の組織との役割分担、そして日本のJAFとのつながりまでを整理する。

FIAとは何か 1904年発足の国際自動車連盟

FIAは、Fédération Internationale de l'Automobile(国際自動車連盟)の略称だ。発足は1904年6月20日。ドイツで開催された国際自動車レース「ゴードン・ベネット・カップ」をきっかけに、ドイツ、オーストリア、アメリカ、フランス、イギリス、オランダ、イタリアなど各国の自動車クラブの代表がパリに集まり、当時はAssociation Internationale des Automobile Clubs Reconnus(AIACR)という名称で組織を立ち上げた。この団体が1946年に改組され、現在のFIAとなっている。

本部はフランス・パリのコンコルド広場に面したビルに置かれ、ジュネーブ、ヴァレリー、ロンドンにも拠点を持つ。加盟団体は246、149の国と地域、5大陸にまたがる規模だ。

会長を務めるのはモハメド・ベン・スレイエムで、2021年12月の総会で初当選し、欧州出身者以外として史上初のFIA会長となった。2025年12月にはウズベキスタンの首都タシケントで開かれた総会で再選され、2029年までの2期目に入っている。FIAは自らを「世界モータースポーツの統括機関であり、世界のモビリティ組織の連盟」と位置づけている。

FIA創設120周年を記念してドイツに集まった加盟団体代表者たちの様子
出典: FIA

FIAが統括する世界選手権とレギュレーション

FIAが統括する世界選手権は、F1世界選手権だけではない。WRC(世界ラリー選手権)、WEC(世界耐久選手権)、フォーミュラE世界選手権、世界ラリーレイド選手権、カート選手権まで、四輪モータースポーツの主要カテゴリーの多くがFIAの傘下にある。

FIAの役割は、単に選手権を「主催」することではない。技術規則とスポーティング規則を策定し、レースを裁くスチュワードを任命し、サーキットの格付け基準やドライバーライセンスの基準までを定める。安全基準の策定も重要な仕事の一つだ。

F1のコックピット上部を囲むチタン製の保護構造「ハロ(Halo)」は2018年から全マシンへの搭載が義務化された。開発が進んだ背景には、2014年のジュール・ビアンキ、2015年のジャスティン・ウィルソンといったドライバーの死亡事故があり、時速225kmで飛んでくる外れたタイヤに耐えることが導入前のテスト基準として課された。

FIAとFOM、F1でルールと商業を分ける2つの顔

F1を巡ってよくある誤解が、「FIA=F1を作っている会社」というイメージだ。実際には、F1の運営は2つの組織に分かれている。

FIAが持つのはスポーツ面の権利だ。レギュレーションの策定、スチュワードの任命、選手権名称や規則書の権利保有、サーキットの格付けやライセンス基準の設定を担う。一方、放映権や開催契約、ブランドマーケティングといった商業面を担うのはフォーミュラワン・マネジメント(FOM)という別の組織だ。FOMは2017年にアメリカのメディア企業リバティメディアの傘下に入り、以降は経営権の大部分をリバティメディアが握っている。

この商業運営権は2000年6月28日、ジュネーブで開かれたFIA臨時総会で70以上の各国自動車連盟が全会一致で承認し、2011年から2110年までの100年契約でFOM側にリースされている。この契約のもとでは、FIAがリバティメディアの商業活動そのものに口を出すことはできない。「FIAがルールを作り、リバティメディア傘下のFOMがビジネスを回す」という2層構造こそが、F1という興行を成立させている仕組みだ。

日本とFIAをつなぐJAF、ライセンス発行の仕組み

日本でFIAに加盟している団体は、JAF(日本自動車連盟)ただ1つだ。JAFは各国のモータースポーツを統轄する国内団体としてFIAから公認を受けており、FIAが定めた規則や国際競技基準を国内で運用する立場にある。

JAFが発給するモータースポーツライセンスは、国内Bライセンスから国内Aライセンス、国際C-C・国際C-R・国際B・国際Aといった国際ライセンス、そしてF1出場に必要な最上位グレード「スーパーライセンス」まで段階的に設計されている。スーパーライセンスはFIAが直接発給するライセンスで、WRCやWECなどFIA国際スポーツカレンダーに登録された競技会への参加にも国際ライセンスが必要になる。取得条件や費用の詳細は、以下の記事で整理している。

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2026年版ライセンス許可証(四輪・カート)見本
出典: JAFモータースポーツ

ライセンス制度の末端には、免許さえあれば挑戦できる入門競技も用意されている。JAF公認の「オートテスト」は競技ライセンスが不要で、普通運転免許とマイカーがあれば参加できる。FIAが頂点に立つ体系の裾野は、意外なほど間口が広い。

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モータースポーツにとどまらないFIAの活動

FIAの活動範囲は、レースの統括だけにとどまらない。組織として掲げるミッションには、モータースポーツにおける公平で規律ある安全な基準づくりに加えて、世界中の道路利用者に安全で持続可能かつ利用しやすい移動を提供するという目標も含まれている。

その一例が、欧州の自動車安全性能評価プログラム「ユーロNCAP(Euro NCAP)」への関与だ。1996年に設立されたユーロNCAPには、FIAが「FIA Region 1」としてメンバー団体に名を連ねている。レースの世界で培われた安全基準へのこだわりは、サーキットの外、市販車の安全性能という形でも社会に還元されている。

FIAの前身組織が結成されるきっかけになったのは、1904年にドイツで開催された国際自動車レース「ゴードン・ベネット・カップ」だった。レースの運営を巡って各国の足並みを揃える必要に迫られたことが、100年以上続く国際組織の出発点になっている。

FIAとFOMは何が違うのか

FIAはF1のレギュレーション策定やステュワード任命などスポーツ面を担う組織で、フォーミュラワン・マネジメント(FOM)は放映権や開催契約などの商業面を担う別の組織だ。FOMは2017年からリバティメディアの傘下にある。

日本でFIA系列のモータースポーツライセンスを取得するには

日本でFIAに加盟しているのはJAF(日本自動車連盟)のみで、四輪モータースポーツのライセンスはJAFを通じて取得する。国内Bライセンスから国際ライセンス、F1出場に必要なスーパーライセンスまで段階的に設計されている。

FIAの会長は誰でいつから務めているか

モハメド・ベン・スレイエムが会長を務めている。2021年12月に初当選し、2025年12月の再選で2029年までの2期目に入った。

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ROADECT編集部
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