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モータースポーツライセンスの種類と取り方 国内Bから始める完全ガイド
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モータースポーツライセンスの種類と取り方 国内Bから始める完全ガイド

JAF発給のモータースポーツライセンスは、国内Bから国内A、国際ライセンスへと段階的に設計されている。2025年は国内Bの発給数が国内Aを上回り、多くの人がレースより先にジムカーナやラリーから始めている。取得の条件・費用・手続きの流れと、ライセンス不要で参加できる入門ルートを一次ソースで整理した。

JAF(日本自動車連盟)が2025年に発給した四輪モータースポーツの競技運転者許可証は、合計45,808件にのぼる。その内訳を見ると、もっとも基礎的な国内Bライセンスが24,206件で、レースに必須の国内Aライセンス18,176件を上回っている。つまり多くの人は、レースではなくジムカーナやラリーといった身近な競技から、モータースポーツの世界に足を踏み入れているということだ。ライセンス制度は一見複雑に見えるが、実際には自分の目指す競技に合わせて段階を踏めばいい、シンプルな仕組みでもある。ここでは国内B・国内A・国際ライセンスの違いから、取得の実務的な流れ、そしてライセンスなしで始められる方法まで整理する。

モータースポーツライセンスとは 国内B・国内A・国際ライセンスの違い

JAFが発給する四輪競技用のライセンスは、国内Bライセンス、国内Aライセンス、国際C-C・国際C-R・国際B・国際Aの国際ライセンス、そしてスーパーライセンスという段階で構成されている。このほかにカート専用のライセンス体系と、審判員として競技運営に携わるための公認審判員ライセンスも用意されている。

もっとも基礎的な国内Bライセンスは、18歳以上で普通免許を持ち、JAFの個人会員であれば取得でき、ジムカーナやラリー、ダートトライアル、サーキットトライアルといった競技に出場できる。一方、複数台のクルマが同時にスタートするレースに出場するには、国内Aライセンスが必要になる。国内Aライセンスの取得には、国内Bライセンスでの競技実績か、公認サーキットでのスポーツ走行経験が条件として求められる。

さらに上位には、WEC(世界耐久選手権)やスーパーフォーミュラ、スーパーGTといった国際格式のレースに参加できる国際Bライセンス、WRC(世界ラリー選手権)やAPRC(アジア・パシフィックラリー選手権)に参加できる国際C-Rライセンスなどが位置づけられている。国内B、国内Aという国内競技の入り口から、国際ライセンスという世界基準の舞台まで、ひとつながりの階段になっている構造だ。

2026年版ライセンス許可証(四輪・カート)見本
出典: JAFモータースポーツ

競技種目別に見る、必要なライセンスの対応表

自分がやりたい競技によって、必要なライセンスは決まっている。JAFが公開している対応表を整理すると、次のようになる。

競技種目必要なライセンス
ジムカーナ国内Bライセンス
ラリー国内Bライセンス
ダートトライアル国内Bライセンス
サーキットトライアル国内Bライセンス
ドリフト国内Bライセンス
ヒルクライム国内Bライセンス
レース国内Aライセンス
カートカート専用ライセンス
オートテストライセンス不要

ジムカーナは1台ずつコースを走るタイムトライアル形式で、他車との位置関係を気にせず自分の運転に集中できる競技だ。ラリーはドライバーとコ・ドライバーがコンビを組み、一定でない走行環境の中でタイムを競う。ダートトライアルやヒルクライムも同じくスピード競技に分類され、いずれも国内Bライセンスで出場できる。これに対してレースは複数台のクルマが同時にスタートするため、より高い技量と安全性が求められ、国内Aライセンスが条件になっている。

国内Bライセンスの取り方 講習から発行までの流れ

国内Bライセンスの取得は、次の4つのステップで進む。

  1. 講習会を受講する。対面型のほか、動画視聴と一問一答形式の理解度チェックで完結するオンライン講習会もあり、所要時間は約90分だ
  2. 受講後30日以内に、モータースポーツマイページで新規登録し、受講日とコード番号を入力してライセンスを申請する
  3. 申請から2〜3営業日後、モータースポーツマイページで仮ライセンスのPDFを取得できる。この時点ですでに国内競技への参加が可能になる
  4. 約1ヶ月後、写真入りのライセンスカードが郵送で届く

対面型の講習会では、モータースポーツの規則や競技出場の心構えを講師から直接聞ける。取得後も講習会主催者からサポートを受けやすいのが利点だ。一方でオンライン講習会は、都合のいい時間にパソコンやスマートフォンで受講できる手軽さがある。

費用面では、国内Bライセンスの申請料は税込3,100円、講習会の受講料は教材費込みで5,000円から6,000円程度が目安になる。JAFの個人会員ではない場合は、これに入会金と年会費が別途必要だ。上位のライセンスになるほど費用も上がり、新規・更新の税込価格で見ると国内Aは4,100円、国際C-C・国際C-Rは10,500円、国際Bは12,700円、国際Aは14,800円となっている。

なお、国内Bライセンスの有効期限はその年の12月31日までで、毎年の更新が必要だ。競技を続けるうえで、更新のタイミングを忘れないようにしたい。

国内Bライセンス許可証の見本
出典: JAFモータースポーツ

国内Bから国内A、そして国際ライセンスへ

国内Bライセンスで競技経験を積むと、国内Aライセンスへのステップアップが視野に入る。申請前24ヶ月以内に、ラリーやジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアルのいずれかに1回以上出場して完走するか、公認サーキットで25分以上のスポーツ走行証明を受ける必要がある。国内Bライセンスを持たない場合は、公認サーキットで50分以上のスポーツ走行経験が条件になる。取得の際は講習会受講に加えて、規則書を持ち込める筆記試験と走行実技試験に合格しなければならない。

さらにその先、WRCやAPRCといった国際格式のラリーに出場するには国際C-Rライセンスが必要になる。取得には国内Aライセンスの所持が前提となり、申請前24ヶ月以内にJAF公認競技への10回以上の出場と、そのうちラリーまたはヒルクライムでの5回以上の完走実績が求められる。リタイアやミスコースは実績として認められない、完走を厳格に問う制度だ。

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カート競技のライセンスは四輪と別体系

カート競技には、四輪とは異なる独自のライセンス体系がある。15歳以上が対象のカート国内Bライセンスを基本に、実績を積むことでカート国内Aへのステップアップが可能だ。18歳以上での取得にはJAFの個人会員であることが条件になる。

子どもの参加も想定されており、8歳から14歳を対象にしたジュニア国内Bライセンスは、申請と同時に無料の「JAFジュニアスポーツメンバー」として登録される仕組みだ。12歳から14歳はジュニアAへのステップアップも可能で、国際格式では12歳から13歳を対象にした国際G、14歳から挑戦できる国際F、国際Eと続く。年少期からモータースポーツのキャリアを積める体系が整っているのは、四輪にはないカート競技ならではの特徴と言える。

講習会受講以外にも、JAF登録カートクラブが主催する競技会への出場や、公認コースでの2時間以上のスポーツ走行、届出コースでの3時間以上の走行実績によって資格を得る方法も用意されている。

JAF公認競技の様子
出典: JAFモータースポーツ

ライセンスなしでもモータースポーツは始められる

ここまで見てきたライセンス制度は、一見するとモータースポーツへの参入障壁のように映るかもしれない。しかし実際には、ライセンス取得前から体験できる入り口がいくつも用意されている。

JAF公認競技会の中には、主催するJAF登録クラブ・団体のメンバーだけが出場できる「クローズド格式」の競技会があり、この形式には国内Bライセンスがなくても出場できる。ジムカーナコースでは、決まったコースを繰り返し走る「フリー走行」や、モータースポーツショップ主催の非公認の練習会・走行会も開催されており、イベントによってはノーマル車のまま参加できるケースもある。

さらに「オートテスト」という競技は、そもそもライセンス自体が不要だ。思い立ったその瞬間から参加を申し込める、もっとも間口の広い競技として位置づけられている。ライセンス取得を最初のハードルと捉える必要はなく、走ってみるところから始めても遅くない。

何から始める? 競技種目別に見る最初の一歩

  • ジムカーナから始めたい人: クローズド格式の競技会やフリー走行で感触をつかんでから、対面またはオンライン90分の国内Bライセンス講習会に進むのが無理のない順序だ
  • ラリーに出てみたい人: 国内Bライセンスを取得し、まずはラリー競技での完走実績を積むことが、その先の国内Aライセンス取得にもつながる
  • レースを目指したい人: 国内Bライセンスで競技経験を積んだうえで、国内Aライセンスの筆記試験と走行実技試験に備える必要がある
  • WRCやAPRCなど世界のラリーに出たい人: 国内Aライセンスを取得したうえで、24ヶ月以内に公認競技10回以上、うちラリー・ヒルクライムで5回以上の完走実績を積み、国際C-Rライセンスの取得を目指す道筋になる

JAFが2025年に発給した公認審判員(オフィシャル)許可証は19,467件で、四輪の競技運転者許可証45,808件の半数近くに達する。モータースポーツはドライバーだけでなく、コースを支える審判員たちの存在があって初めて成立している。

モータースポーツライセンスなしで参加できる競技はあるか

ライセンスが不要な競技として「オートテスト」がある。また、JAF登録クラブ・団体のメンバーのみが参加できる「クローズド格式」の競技会も、国内Bライセンスなしで出場できる。

国内Bライセンスの取得にはどのくらいの期間がかかるか

講習会受講後30日以内に申請すると、2〜3営業日で仮ライセンスのPDFが発行され、その時点で国内競技に参加できる。写真入りのライセンスカードは、約1ヶ月後に郵送で届く。

モータースポーツライセンスの有効期限はいつまでか

国内Bライセンスの有効期限は、取得した年の12月31日までとなっている。競技を継続するには、毎年の更新手続きが必要だ。