オートテストとは 免許不要でマイカーのまま挑めるモータースポーツ
オートテストは、競技ライセンスもマイカーの改造も必要としないJAF公認の入門モータースポーツだ。パイロンで作られたコースを1台ずつ走り、速さではなく正確さを競う。ルール・参加費用・当日の流れから、出場が国内Bライセンス申請につながる仕組みまで解説する。
クルマは好きだけど、モータースポーツにどう足を踏み入れればいいか分からない。そう感じている人は少なくないはずだ。改造もライセンスも必要としない競技が、実は日本各地で開かれている。名前は「オートテスト」。マイカーのまま、今の免許で挑戦できる入門競技だ。
オートテストとは 免許不要で挑めるモータースポーツ
オートテストは、イギリス発祥のモータースポーツだ。パイロンで区切られたコースを1台ずつ走り、コース内でのミス、つまりペナルティの少なさを競う。レースのように複数台で着順を争うわけでも、ジムカーナやラリーのようにタイムの速さを競うわけでもない。求められるのは速さではなく、クルマを狙った通りに走らせる正確さだ。
参加に競技ライセンスは必要ない。普通運転免許があれば、ナンバー付きのマイカーのままエントリーできる。モータースポーツと聞くと、専用マシンへの乗り換えや長い訓練期間を思い浮かべる人も多いだろう。実際にサーキット走行やジムカーナに参加するには、専用タイヤの準備や国内Bライセンスの取得が前提になる場合が多い。オートテストは、その手前に置かれたもう一段低い入り口として、JAF(日本自動車連盟)公認のもとで運営されている。
ジムカーナも1台ずつコースを走る形式は同じだが、そこで競われるのはタイムの速さだ。ラリーはドライバーとコ・ドライバーのコンビで、一定でない走行環境の中でタイムを競う。これに対しオートテストは、走行時間そのものより、指示されたセクションをどれだけ正確にこなせたかが評価の中心になる。速さを追い求める競技に気後れしていた人ほど、この評価軸の違いに気づくと参加へのハードルが下がるはずだ。

パイロンが作るコース、オートテストのルール
コースはパイロンだけで作られる。代表的なセクションには、パイロンのすき間を縫うように走る「スラローム」、8の字や180度・360度で向きを変える「ターン」、前後輪のどちらかで特定のラインを越える「ラインまたぎ」、コの字型に並べたパイロンへ前進またはバックで進入する「ガレージ」がある。ガレージは車庫入れを模したセクションで、すべての競技会で最低1回のバック走行が義務づけられている。
スラロームはパイロンの間隔が区間ごとに変わることもあり、ハンドル操作のリズムをどう作るかが問われる。ラインまたぎは前輪か後輪のどちらか一方が指定のラインを越えれば成立するため、自分のクルマの車両感覚をどれだけ正確につかめているかが試されるセクションだ。ペナルティが加算されるのは、パイロンへの接触、コースの間違い、指定セクションを正しく通過できなかった場合だ。減点方式のため、コースをどれだけ速く抜けるかよりも、一つひとつのセクションをどれだけ丁寧にこなせるかが結果を左右する。

オートテストの参加費用と持ち物
装備面のハードルも低い。ヘルメットやグローブといった本格的なレース装備は必要なく、車両への特殊な改造も求められない。参加者は普段の服装のまま、乗り慣れたクルマでコースに立つ。安全のため、車内の荷物を降ろしておく程度の準備で済む。
参加を希望する場合は、開催団体が公開する参加要項や申込用紙を確認し、参加料とともに申し込む。20歳未満の場合は、参加申込書に親権者の承諾印が必要になる。申し込みが受理されると、当日の受付で使う参加受理書が送られてくる。参加費用は開催地や主催団体によって幅があり、2026年6月に青森県八戸市でモータースポーツクラブはちのへが主催したオートテストでは、JAF会員が3,000円、一般が3,500円という設定だった。当日は参加受理書や運転免許証などの必要書類を確認したあと車両検査を受け、安全上の注意事項を伝えるドライバーズブリーフィングに出席してから競技がスタートする。
初めて参加する前に知っておきたいこと
初めての参加であれば、まず初心者向けに設計された大会を選ぶのが無理のない進め方だ。開催団体が公開する参加要項や特別規則書には、対象レベルやコースの難易度が記載されている場合が多く、可能であれば申し込み前に別の大会を見学しておくと、当日の流れをつかみやすい。
車両については、ナンバー付きで無改造のクルマであれば参加できる大会もあるが、サスペンションやマフラーなどに手を加えている場合は改造申告書への正確な記入が求められる。日常的にクルマへ手を加えている人は、事前に主催団体へ問い合わせておくと、当日の車両検査がスムーズに進む。
オートテストが開く競技へのステップアップ
オートテストは、その先の競技につながる入り口としての役割も持つ。JAF公認のオートテストに出場すると、主催者が出場証明として申請書に捺印してくれ、この証明があれば講習会を受講しなくても国内Bライセンスを申請できる。
国内Bライセンスを取得すると、ジムカーナやラリー、ダートトライアル、サーキットトライアル、ドリフトといった競技に参加できるようになる。中でもジムカーナは、オートテストで培った正確な運転操作がそのまま活きる競技として、次のステップに位置づけられている。2025年にJAFが発給した四輪競技運転者許可証は合計45,808件で、その半数以上にあたる24,206件が国内Bライセンスだった。多くの人が、レースよりも先にジムカーナやラリーといった身近な競技からモータースポーツへ足を踏み入れているという実態がうかがえる。ライセンス制度の詳しい階段や取得の流れについては、以下の記事で整理している。
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モータースポーツライセンスの種類と取り方 国内Bから始める完全ガイド
オートテストの開催情報の探し方
オートテストは全国各地で、JAFの地方支部やモータースポーツクラブによって開催されている。2026年には青森県八戸市のほか、静岡県掛川市でも開催されており、開催地は特定の地域に偏っていない。JAF公式サイトの競技会カレンダーで地域や開催日を検索できるため、まずは自分の住むエリアで直近の開催予定を探してみるところから始められる。
免許は持っているけれど、モータースポーツには縁がないと思っていた人ほど、オートテストという入り口は近い。特別なクルマも、特別な訓練も必要ない。今乗っているクルマのハンドルを握るところから、モータースポーツは始まる。
オートテストのガレージセクションでは、すべての競技会で最低1回のバック走行が義務づけられている。前進だけで完結する競技ではなく、車庫入れの正確さまで問われるところに、この競技の奥深さがある。
オートテストに参加するのに免許や資格は必要か
普通運転免許があれば参加できる。競技ライセンスは不要で、ナンバー付きのマイカーのままエントリーできる。
オートテストとジムカーナの違いは何か
オートテストは減点の少なさで正確さを競う低速の競技で、ライセンスは不要だ。一方ジムカーナはタイムの速さを競う競技で、参加には国内Bライセンスが必要になる。
オートテストに出場すると何が得られるか
JAF公認のオートテストに出場すると、主催者による出場証明を通じて、講習会を受講せずに国内Bライセンスを申請できる資格が得られる。
この記事について
- 執筆
- ROADECT編集部
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