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日産新型セントラB19型 日本未導入の北米戦略セダンを徹底解説
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日産新型セントラB19型 日本未導入の北米戦略セダンを徹底解説

日産が2025年9月に発表した新型セントラB19型は、北米市場向けの9代目コンパクトセダンだ。価格は22,600〜27,990ドルで、Cセグメントの中核を担う。日本ではその名を聞くことすらない1台だが、なぜ導入されないのか。セントラの成り立ちと日本市場との関係から読み解く。

日本のディーラーでその名を目にすることはない。だが北米では、日産の屋台骨を支えてきた1台がある。セントラだ。2025年9月23日、日産は米国テネシー州ナッシュビルで9代目となる新型セントラを発表した。B19型と呼ばれるこの新型は、日本に一度も上陸したことのない車でありながら、北米市場でホンダ・シビックやトヨタ・カローラと肩を並べてきた存在だ。

日産セントラB19型 北米で9代目に

新型セントラは、日産のCセグメントセダンとして北米の中核を担ってきた車種の9代目にあたる。2025年内に米国市場で発売が始まり、価格はS・SV・SR・SLの4グレード構成で22,600ドルから27,990ドルの間に収まる(1ドル=150円換算で約339万〜420万円に相当)。上位のSLグレードは、今回のフルモデルチェンジで復活したグレードだ。サンルーフやデュアルゾーン自動エアコンなど、快適装備を手厚くした仕立てになっている。

グレードごとの性格分けも明確だ。SRはグロスブラックの加飾と18インチアルミホイールを組み合わせたスポーティな仕立てで、タイヤもSR専用の215/45R18を履く。S・SVは205/60R16、SLは215/50R17と、足元のサイズもグレードごとに変えている。SV・SR・SLではスポーツモードを選べるドライブモードセレクターも備わる。

荷室は開口部の高さを抑えつつ開口面積を広く取り、ゴルフバッグやベビーカーのような大きな荷物もそのまま積み込める設計にした。荷室容量は14.3立方フィート(約405リットル)に達する。

赤い新型セントラのリア3/4ビュー。街並みを背景に駐車した外観イメージ
出典: Nissan USA Newsroom

伸びやかなラインで魅せる新型デザイン

新型セントラの外寸は、先代型からほとんど変わっていない。それでいて実際に見ると、ひとまわり大きく感じられる。日産のデザインディレクターは、その理由を「スケッチの初期段階から、セントラをより幅広く大胆で力強く見せる伸びやかなラインを取り入れた」と説明している。

フロント部分には進化したVモーショングリルと薄型LEDプロジェクターヘッドライトを採用し、水平基調のラインを端から端まで伸ばすことでワイドな印象を強調した。ルーフラインはなめらかにアーチを描くサテン仕上げの装飾で縁取られ、ファストバックのようなシルエットを描く。

ベースのSグレードはメーター部が7インチにとどまる一方、SV以上のグレードはメーター部にも12.3インチの高精細ディスプレイを採用し、クラストップとなるデュアル12.3インチ表示に仕上げている。センターの12.3インチタッチスクリーンとタッチセンサー式のエアコンスイッチパネルは全グレード共通だ。64色から選べるアンビエントライトが、上質な空間を演出する。ドアをロック解除した瞬間にはターンシグナルランプとヘッドライト、シグネチャーライティングが連動して点灯し、乗り込む前から特別感を漂わせる仕掛けも備わった。

赤い新型セントラセダンが、黒いホイールとルーフのアクセントを備えたデザインで、街中の建物前に駐車されている外観イメージ
出典: Nissan Global Newsroom

全グレード標準の運転支援と快適装備

新型セントラの特徴は、価格帯を問わず全グレードに運転支援システム「セーフティシールド360」を標準搭載した点にある。歩行者・自転車検知付きの緊急ブレーキや前方衝突予測警報、後側方の車両接近を知らせるブラインドスポットワーニング、車線逸脱防止支援まで、衝突回避に関わる支援機能がベースグレードから外れていない。駐車時の周囲確認を助けるアラウンドビューモニターは上位グレードほど充実し、SRでオプション設定、SLで標準装備となる。

ワイヤレス対応のApple CarPlayとAndroid Autoも全車標準だ。上位のSLグレードになると、耐久性を保ちながらナッパレザーのような質感を持つ合成皮革「TailorFit」のシートが選べる。BOSEの8スピーカーオーディオや、長距離運転の負担を和らげる運転支援機能「プロパイロット」も加わる。インテリジェントキーは、車両に近づくと自動でロックを解除し、乗員が車から離れると自動で施錠する機能を備え、鍵を意識させない日常使いのしやすさを高めている。

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新型セントラの運転席まわり。12.3インチのデュアルディスプレイとステアリング周辺の様子
出典: Nissan USA Newsroom

熟成した2.0リッターエンジン

パワートレインは、最高出力149馬力(約151PS)、最大トルク146lb-ft(約198Nm)を発生する2.0リッター直列4気筒のMR20DD型エンジンだ。組み合わされるXtronic CVTはチューニングが見直され、より自然で滑らかな加速を実現した。

ボディ剛性は先代型比で6%向上し、大型ダイナミックダンパーの採用で路面からの振動を効果的に抑えている。トランクやリアフェンダー、ドアミラーの形状を見直したほか、フラットなアンダーボディで空気抵抗を低減し、走行安定性と燃費の両立を図った。EPA基準の燃費はS・SVグレードで市街地30mpg、高速道路38mpg、複合33mpgとなっており、1米ガロン=3.785リットル換算で複合燃費は約14.0km/Lに相当する。

なぜ日本にセントラがないのか

セントラという車名が日本にない理由は、単純だ。1982年5月に米国でダットサン310の後継として登場して以来、セントラは北米向けの呼び名として存在してきた車種で、日本市場では一貫して別の車名で販売されてきたからだ。

2006年までは日本の日産サニーと同じプラットフォームをもとにした北米向けモデルとして、2013年モデル以降はシルフィをもとにした北米向けモデルという位置づけで作られてきた。現行のB19型の生産を担うのはメキシコ・アグアスカリエンテス州にあるA2工場で、日本からの輸出ではなく現地生産によって北米に供給されている。型式もB11型からB19型まで、世代を追うごとに符番を重ねてきた。日本車の血統を色濃く受け継ぎながら、車名だけが日本に上陸しなかった1台がセントラといえる。

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もっとも、現在は日本側の呼び名だったシルフィ自体も国内での生産・販売を終えている。追浜工場での生産は2020年9月に終了し、在庫対応を経て2021年10月に国内での販売を終えた。背景にはセダン需要そのものの縮小があり、2019年の国内販売台数は前年比2割減の約1,800台まで落ち込んでいた。日産は採算性の低い車種を絞り込む構造改革の一環として、シルフィの生産終了を決めている。

一方で、同じシルフィは中国市場でまったく違う道を歩んでいる。2021年には約50万台を売り、中国の乗用車販売台数ランキングで1位となった。

北米ではセントラとして、中国ではシルフィとして生き続けている車が、日本でだけ名前を持たない。1台のクルマが国境を越えるたびに姿と名前を変えながら生き延びてきたのが、日産の中堅セダンの実像だ。日本への導入について、日産からの公式発表はない。

名前も市場も一つに定まらないまま走り続けているという事実は、1台のクルマがどれだけ広い暮らしを支えられるかを教えてくれる。日本の道でセントラに出会う日が来るかどうかは分からない。それでも北米の街角を走る9代目に目を向けてみると、見慣れたはずの日産という会社の、また違う一面が見えてくる。

新型セントラの主要スペック

項目内容
型式B19型
発表日2025年9月23日(現地時間)
発売時期2025年内(米国市場)
エンジンMR20DD型 2.0L直列4気筒
最高出力149馬力(約151PS)/6,000rpm
最大トルク146lb-ft(約198Nm)/4,000rpm
トランスミッションXtronic CVT
駆動方式FF
全長×全幅×全高4,656mm×1,816mm×1,450mm
ホイールベース2,705mm
車両重量約1,405〜1,441kg(グレードにより異なる)
EPA複合燃費33mpg(約14.0km/L、S・SVグレード)
価格(MSRP)22,600〜27,990ドル(約339万〜420万円)

新型セントラのデザインは、俊敏さと軽やかさを表す日本語の言葉にインスピレーションを得ているという。日産のデザインチームは、力強さと成熟した洗練さを兼ね備えたこの感覚を、ファストバック風のルーフラインという形に落とし込んだ。日本に上陸しない車の姿かたちに、日本語由来の美意識が息づいている。

日産セントラとはどんな車か

日産セントラは、北米市場向けのコンパクトセダンだ。1982年に登場して以来、日産の北米事業を支えてきた車種で、2025年発表のB19型は9代目にあたる。日本市場では一度も販売されたことがなく、車名自体もほとんど知られていない。

セントラとシルフィの違いは何か

同じプラットフォームに、市場ごとに異なる車名を与えたバッジ違いの関係にある。2013年モデル以降のセントラは、日本市場向けのシルフィをベースに北米向けへ仕様を変えたモデルで、生産もメキシコの現地工場が担っている。

なぜ日本でセントラ(シルフィ)は販売されていないのか

日本向けの姉妹車シルフィは、国内セダン需要の縮小を受けて2020年に生産を終えた。一方でセントラは北米で、シルフィは中国で、それぞれ現地の需要に応じて販売が続けられている。

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ROADECT編集部
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