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ノア・ヴォクシー 2026年一部改良 変更点と全グレード価格
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ノア・ヴォクシー 2026年一部改良 変更点と全グレード価格

トヨタが2026年5月6日に発売するノア・ヴォクシーの一部改良を解説。ガソリン車廃止、ノアS-X新設で最安326万1500円〜、SNOW EXTRAモード追加など主な変更点と全グレード価格をまとめた。

トヨタは2026年4月10日、ミニバンのノアとヴォクシーを一部改良し、5月6日に発売することを発表した。2022年1月のフルモデルチェンジから4年を経た、本格的な商品改良となる。ガソリン車の廃止、ノアのグレード体系の刷新、走行性能の底上げと、変更の範囲は多岐にわたる。

ノア 2026年一部改良モデル
出典: トヨタ自動車
ヴォクシー S-Z(2WD・7人乗り)
出典: トヨタ自動車

ハイブリッド専用モデルに移行、ガソリン車を廃止

今回の改良で最も大きな転換点は、ガソリン車の廃止だ。カーボンニュートラル実現に向け、パワートレインをハイブリッド車に統一した。カローラシリーズで先行して実施されたのと同じ方針をノア・ヴォクシーでも採った。

車いす対応の福祉車両仕様であるウェルキャブは、従来通りガソリン車が継続設定されている。ウェルキャブ仕様の改良車は5月中旬ごろの発売予定と、一般グレードとは別のスケジュールが組まれている。

ハイブリッドシステムそのものに変更はなく、燃費や動力性能は従来モデルを踏襲する。ガソリン車という選択肢が消えた分、購入時の最低価格は上がる。

ノアはエアロ仕様1本に集約、新グレード「S-X」を設定

ノアはこれまでグレードによって「標準ボディ」と「エアロボディ」の2種類のデザインが存在した。今回の改良でエアロボディに一本化し、標準ボディを廃止した。

従来のエントリーグレード「X」は標準ボディのデザインを持っていたが、今回新設された「S-X」はエアロデザインを備えたエントリーグレードという位置づけだ。価格は2輪駆動・7人乗りで326万1500円からとなる。フロントグリルのメッキ部位はボディカラー同色に変更され、よりすっきりした外観に仕上がっている。

ヴォクシーのグレード構成に変更はなく、S-GとS-Zの2グレードが継続する。

ノアとヴォクシー、フロントの作り方が対照的に

フロントまわりの変更方向は、ノアとヴォクシーで対照的だ。

ノアはフロントグリルのメッキ部位をボディカラー同色に変更し、ボディとの一体感を重視した仕上げにした。全グレードにプロジェクター式LEDヘッドランプとLEDクリアランスランプが標準装備となった。S-Zにはさらにオートレベリング機能付きのプロジェクター式LEDヘッドランプと、デイライト機能付きLEDクリアランスランプがメーカーオプションで用意されている。

ヴォクシーはフロントグリル本体とガーニッシュをブラック加飾に変更した。ニュートラルブラックのボディカラーと組み合わせたとき、この加飾が際立つ仕上げになっている。17インチアルミホイールもブラック塗装に切削光輝とダーククリアを組み合わせた新デザインに変更され、S-Z・2輪駆動車に標準装備される。

ノア フロントグリル(S-Z・2WD・7人乗り)
出典: トヨタ自動車
ヴォクシー フロントグリル(S-Z・2WD・7人乗り)ブラック加飾(全車標準装備)
出典: トヨタ自動車

新色として「ニュートラルブラック」と「アーバンロック」が両モデルに追加された。ヴォクシーは既存色の廃止も多く、ラインアップが3色に絞られた。

SNOW EXTRAモードとE-Fourのフルタイム化

4輪駆動のE-Four搭載車に「SNOW EXTRAモード」が追加設定された。

従来のE-Fourは、発進・旋回・タイヤのスリップといった特定の場面でのみ後輪モーターが作動する設計だった。SNOW EXTRAモードでは後輪モーターをフルタイムで稼働させ、雪上のあらゆる走行シーンで前後の駆動力を緻密に配分する仕組みだ。

ドライブモードセレクトで選択するだけで機能するため、雪道に入ったタイミングでオンにすれば直進・旋回・制動のすべてで安定した挙動が得られる。スキーリゾートへの家族旅行や積雪地でのデイリーユースを念頭に置いたユーザーにとって、実用的な機能が加わった形だ。

ノア 走行イメージ(S-Z・2WD・7人乗り・オプション装着車)
出典: トヨタ自動車
SNOW EXTRAモード走行イメージ(E-Four車に標準設定)
出典: トヨタ自動車

ショックアブソーバーの減衰力も最適化されており、乗り心地が改善されている。騒音の侵入経路に防音材を配置して車内の静粛性も高めた。走りそのものの質を底上げする方向での改良が今回のひとつの軸になっている。

使い勝手を高めた装備の変化

計器パネルのマルチインフォメーションディスプレイが大型化した。S-Zは従来の7インチから12.3インチに、S-GとノアのS-Xは4.2インチから7インチにそれぞれ拡大される。

オプティトロンメーター+12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ(S-Zに標準装備)
出典: トヨタ自動車

S-Zには前後方ドライブレコーダーが標準装備された。S-Gはメーカーオプションでの設定だ。ミニバンは家族全員で乗る機会が多く、購入時の段階で安全への備えが整っている仕様は実際に使う場面で違いが出る。

S-Gグレードにはワンタッチスイッチ付きパワースライドドアが両側に標準装備された。従来は助手席側のみだった設定が左右両方に拡大されたかたちだ。ノアのS-Xはメーカーオプションとして用意されている。

内装では、ノアのS-Xを除く全グレードでシフトノブとウィンドウスイッチまわりをピアノブラック塗装に変更した。S-Zにはメーターフードへの表皮巻き・ステッチ加工、インストルメントパネルとドアトリムへのステッチ加工が加わり、シート表皮の意匠も変更された。ヴォクシーのS-Zはさらにインストルメントパネルの一部をスエード調表皮に変更している。

価格一覧(2026年5月6日発売、税込)

ノア

グレード駆動乗車定員価格
HYBRID S-X2WD7人 / 8人326万1500円
HYBRID S-XE-Four7人351万4500円
HYBRID S-G2WD7人 / 8人370万400円
HYBRID S-GE-Four7人395万3400円
HYBRID S-Z2WD7人405万6800円
HYBRID S-ZE-Four7人430万9800円

ヴォクシー

グレード駆動乗車定員価格
HYBRID S-G2WD7人 / 8人375万1000円
HYBRID S-GE-Four7人400万4000円
HYBRID S-Z2WD7人412万7200円
HYBRID S-ZE-Four7人438万200円

90系ノア・ヴォクシーは2022年度の日本自動車アセスメント(JNCAP)でファイブスター大賞を受賞した。JNCAPの試験車は市場から一般的な購入手順で調達されるため、メーカーが準備した特別仕様の車両ではない。量販ファミリーカーとして広く届けられた車が、そのままの状態で安全評価の最高水準をクリアした。今回の改良で装備や走りがさらに深化したこのモデルの出発点として、押さえておきたいひとつの事実だ。


ノアとヴォクシーの違いは何か

基本的な車体・パワートレインは共通だが、外観デザインとグレード構成が異なる。ノアはエアロデザインに統一されたS-X・S-G・S-Zの3グレード展開で、よりファミリー向けの温度感を持つ。ヴォクシーはブラックを効かせたアグレッシブなデザインで、S-GとS-Zの2グレード構成だ。価格はヴォクシーのほうが同グレード比で若干高い。

SNOW EXTRAモードはどんな場面で使うのか

4輪駆動のE-Four搭載車のみに設定された機能だ。通常のE-Fourは発進・旋回・スリップといった特定の状況でのみ後輪モーターが動くが、SNOW EXTRAモードをオンにすると後輪モーターがフルタイムで稼働し、雪道全域で前後の駆動力を緻密に制御する。積雪地での日常使いやスキーリゾートへの移動など、雪道走行の頻度が高い用途に向いている。

ガソリン車は選べなくなったのか

一般グレードからはガソリン車が廃止され、ハイブリッド車のみとなった。車いす対応のウェルキャブ仕様については引き続きガソリン車が設定されており、5月中旬ごろの発売が予定されている。