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いすゞ ガーラミオ 一部改良で6速ATを採用 中型観光バスの基本も解説
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いすゞ ガーラミオ 一部改良で6速ATを採用 中型観光バスの基本も解説

2026年9月28日に発売されたいすゞの中型観光バス「ガーラミオ」の改良は、6速ATの採用や乗降時の誤発進を防ぐ装置など、運転する人の操作と負担に関わる変更が中心だ。1999年から続くモデルの成り立ちと、M-I・M-II・M-IIIの3グレードの仕様もあわせて解説する。

2026年9月28日、いすゞ自動車が中型観光バス「ガーラミオ」の一部改良モデルを発売した。変速機は従来の6速AMTから6速ATに替わり、ドアを開けると自動で動力を切る「扉連動自動ニュートラルシステム」も新たに加わっている。

乗客の目に触れやすいのは外観や室内だが、今回の改良は運転席に座る人を支える変更に集まっている。その中身をたどると、毎日の運行でバスが何に気を配っているかが見えてくる。ガーラミオというバスそのものの成り立ちとあわせて解説する。

一部改良した中型観光バス「ガーラミオ」(M-I、前3/4アングル)
出典: いすゞ自動車株式会社

ガーラミオ一部改良で6速ATを採用

今回の改良で最も大きな変更は、トランスミッションだ。2017年7月に発売された改良型から全車に採用されていた6速AMTが、6速ATに替わった。AMTは、手動で操作するマニュアルトランスミッションのクラッチ操作と変速を自動化した方式だ。

ATには、アクセルを踏まなくてもブレーキを緩めるとゆっくり動き出す、クリープという性質がある。ガーラミオはこのクリープを活かし、バックでの駐車や渋滞路での発進・停止の繰り返しといった場面で、アクセル操作をせずにブレーキ操作だけで微速走行できる。いすゞは、きめ細かな変速制御が発進・加速時のショックを抑え、乗客の乗り心地と運転疲労の軽減につながるとしている。狭い道路や交差点での発進と停止も、クリープが助ける。

エンジンの型式と出力は従来と同じだ。排気量5,123ccの直列4気筒ターボエンジン「A05C」型で、最高出力は162kW(220PS)/2,000rpm、最大トルクは794Nm/1,400rpmになる。A05C型は2017年の改良から搭載されており、新しい変速機はこのエンジンと組み合わされる。

ガーラミオとATの縁は、今回が初めてではない。1999年の発売時には、オートマチックトランスミッションがオプションで設定されていた。今回は、全グレードに6速ATが搭載される。

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ガーラミオの6速ATのセレクトレバー
出典: いすゞ自動車株式会社

扉連動自動ニュートラルと誤発進の防止

ドアの開閉と動力を連動させる「扉連動自動ニュートラルシステム」は、6速ATと並ぶ今回の改良の中心だ。停車中に乗降ドアを開けると、シフトレバーを操作しなくても自動でニュートラルに切り替わり、同時にブレーキを保持する。ニュートラルとは、エンジンの動力がタイヤに伝わらない状態のことだ。乗降ドアを閉めると、前進用のDレンジへ自動で戻る。全グレードに標準装備される。

クリープは、バックや渋滞では助けになる一方、乗客が乗り降りする停車中には、誤発進の要因にもなりうる。このシステムは、ドアが開いている間は動力の伝達を遮断し、ブレーキも保持することで、乗降時の誤発進を防ぐ。

乗降時にドアと動力を連動させる考え方は、路線バスでは先に実用化されていた。いすゞは2012年の改良で、路線バスの「エルガ」と「エルガミオ」に、中扉が開いている間は動力の伝達を切る安全装置を標準装備した。観光や送迎に使われるガーラミオには、2026年の改良で同じ考え方の装置が加わった。

新たに採用された「パーキングブレーキ引き忘れ警報」は、パーキングブレーキをかけないまま運転席のシートベルトを外すと、警報音で知らせる。運転席を離れる前にシートベルトを外す動作が、引き忘れに気づく合図になる。

アイドリングストップと新しいドライバーシート

アイドリングストップシステムは、今回の改良で標準装備となった。停車中にエンジンを自動で止める仕組みで、不要なアイドリングをなくし、燃料の節約、排出ガスの削減、騒音の抑制に役立つ。主要な燃費改善対策は、アイドリングストップ装置、高圧噴射、電子制御式燃料噴射の3つだ。

ドライバーシートは新設計になった。運転姿勢を保ちやすく、身体の左右をしっかり支えられるように各部が見直され、操作性と座り心地が向上している。腰や太もも周辺を支えて安定した着座姿勢を保つ設計で、シート下には小物を収めるコンソールボックスが備わる。シートと連動して移動できるシート付インナーシートベルトも採用され、各シートポジションでのフィット性が高まった。

ガーラミオのドライバーズシート
出典: いすゞ自動車株式会社

いすゞ・ガーラミオとはどんなバスか

ガーラミオは、いすゞが1999年6月23日に発売した中型バスだ。いすゞは同日、15年ぶりに中型バスをフルモデルチェンジし、自家用・観光バスを「ガーラミオ」、路線バスを「エルガミオ」と名付けた。現在は、中型の観光・自家用・送迎バスとして位置づけられている。

全長は8,990mm、全幅は2,340mmで、全長はおよそ9mだ。大型観光バスの「ガーラ」よりひとまわり小さい車体に、グレードによって35〜45人が乗れる。ガーラも2026年6月9日に一部改良されている。

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発売後は、排出ガス規制や安全面の要件に合わせた改良が重ねられてきた。主な改良は次のとおりだ。

年月主な改良内容
1999年6月中型バスをフルモデルチェンジして発売。M-III、M-II、M-Iの3グレードを設定
2017年7月平成28年排出ガス規制に適合。全車に6速AMTと、220PSの新型A05Cエンジンを採用
2021年9月歩行者検知機能付きの衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報、車両安定制御システム、ドライバー異常時対応システムなど先進安全装備を拡充
2024年6月法規対応としてバックカメラとモニターを標準装備
2026年9月6速AT、扉連動自動ニュートラルシステム、パーキングブレーキ引き忘れ警報、アイドリングストップ標準装備

これらの先進安全装備は、現在は全グレードに標準装備されている。

M-I・M-II・M-IIIの仕様構成

ガーラミオは、上級のM-III、中間のM-II、標準のM-Iの3グレードで構成される。定員、シート配列、扉の形が異なり、リクライニングシートはM-IIIとM-IIに標準だ。M-Iは固定のハイバックシートになる。

グレード乗車定員内訳シート配列扉
M-III35人座席33人、乗務員2人8列スイング扉
M-II41人座席37人、補助席3人、乗務員1人9列折扉
M-I45人座席37人、補助席7人、乗務員1人9列折扉

折扉は折りたたまれて開く扉、スイング扉は開き戸のように開く扉だ。M-IIIにはガイド席が付き、いずれのグレードも立席での乗車はできない。室内高は1,905mm、室内幅は2,150mmで、一部のバリエーションには大型観光バス並みの幅880mmのシートが採用される。

ガーラミオのボディ断面図(M-III)。室内幅と室内高を示す
出典: いすゞ自動車株式会社
項目内容
全長/全幅8,990mm/2,340mm
全高3,035mm
リヤスポイラー装着時の全高3,140mm
ホイールベース4,490mm
最小回転半径7.8m
標準客室寸法長さ7,770〜7,815mm、幅2,150mm、高さ1,905mm
車両総重量9,640〜9,920kg
エンジンA05C型 直列4気筒インタークーラーターボ
総排気量5,123cc
最高出力162kW(220PS)/2,000rpm
最大トルク794Nm/1,400rpm
トランスミッション6速AT
重量車モード燃費値(JH25モード)車両総重量8トン超〜10トン以下の区分で6.10km/L、10トン超〜12トン以下の区分で5.89km/L
タイヤ245/80R19.5
M-I・45人乗りの代表車型の価格2,420万円(税込)

寸法と重量はメーカー設計値の参考数値で、登録時には車両の実測値が適用される。重量車モード燃費値は国土交通省審査値で、実際の燃費は走り方や気象、道路の状況などによって変わる。

改良が運転席に集中している理由

今回の改良は、6速AT、扉連動自動ニュートラルシステム、パーキングブレーキ引き忘れ警報、アイドリングストップ、新しいドライバーシートのいずれも、運転する人の操作と負担に関わる変更だ。

いすゞがクリープの活躍する場面として挙げるのは、バックでの駐車、渋滞路、狭い道路、交差点での発進と停止である。どれも発進と停止を細かく繰り返す場面で、送迎や観光地での運行につきものだろう。大型のガーラが2026年6月の一部改良で12速AMTを採用したのに対し、ガーラミオが6速ATを選んだ背景には、こうした使われ方の違いがあるとみられる。

2026年はバスの安全装備の更新が相次いでおり、小型バスのトヨタ「コースター」も7月29日に一部改良された。

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乗客が降りるとき、ドアを開けた運転手がシフトレバーを操作しなくても、バスは動力を切ってブレーキを保持している。目に触れにくい運転席の側で積み重なる進化の一つが、今回のガーラミオの改良だ。

ガーラミオの名前は、1999年の発売時に付けられた。ガーラ(GALA)は、英語とフランス語で「お祭り・陽気な」を意味する言葉から、明るく楽しい旅を期待させるバスをイメージした名前だ。ミオ(mio)は、英語のminiとフランス語のmiocheを組み合わせた造語で、大型に対してひとまわり小さいクラスを表している。上級のM-III、中間のM-II、標準のM-Iというグレード名も、この発売時から続いている。

ガーラミオとガーラは何が違うのか

ガーラは大型の観光・高速路線バスで、ガーラミオは全長8,990mmの中型バスだ。「ミオ」の名は、大型に対してひとまわり小さいクラスをイメージして付けられた。ガーラミオの乗車定員は、グレードによって35〜45人になる。

ATとAMTの違いは何か

AMTは、マニュアルトランスミッションのクラッチ操作と変速を自動化した変速機だ。2017年に採用されたガーラミオの6速AMTには、自動で変速するオートモードと、セレクトレバーで手動変速するマニュアルモードがあった。2026年の改良で6速ATに替わった。ATのクリープを活かして、アクセル操作をせずにブレーキ操作だけで微速走行ができる。

扉連動自動ニュートラルシステムとは何か

停車中に乗降ドアを開けると、シフトレバーを操作しなくても自動でニュートラルに切り替わり、同時にブレーキを保持する仕組みだ。乗降ドアを閉めるとDレンジへ自動で戻り、ドアが開いている間の誤発進を防ぐ。ガーラミオでは全グレードに標準装備される。

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